せん

ポラロイドに託す想いのせんのネタバレレビュー・内容・結末

ポラロイドに託す想い(2014年製作のドラマ)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

最初に見たときは時間が行ったり来たりでなにがなにやらわからず…
いろんな方の感想や考察を読みましたがいまいち納得できるものがなく、映像と考察を何度も往復し、ようやく自分なりに納得できる解釈を見つけたので同じような方の参考になればと記しておきます。
※あくまで一個人の勝手な解釈です。何が正解ということではなく、個々の想像に任せられている部分もあるかと思います。

まず、タイムスリップのルールとしては
・茶色のポラロイドカメラで写真を撮るとタイムスリップする
・タイムスリップする先の時間や場所はいろいろ。行く先は選べない。
・タイムスリップ先で何らかのカメラでシャッターをきると現在へ戻ってくる
・ポラロイド写真に写っているのはタイムスリップから戻る瞬間。写真に書かれているのはタイムスリップ先の日付
・タイムスリップ中の様子を相手は夢に見る。しかし、記憶が書き変わるわけではない(冒頭のスヒョクの夢がそうだとしたら、後の告白の回想シーンと異なる→スヒョクの記憶は変わっていない)
・過去が変わったり変わらなかったりまちまち。パラレルワールド的なものなのか?

写真の残り枚数を仮に番号としてまとめると

13:10歳のチェヒが拾ったカメラをスヒョクに見せたときに撮影。

12~11:詳細は出てこないが、恐らくチェヒが撮影

10~7:チェヒが撮影。最後にオレンジ色の手帳から出して見ていた写真たち。
まだ病気が悪化する前に過去を変えようとタイムスリップしていたよう。
2008~2013年、日付に大きな意味はない?
しかし過去へ行ってみても大きな変化はなく、チェヒは「努力してみたけど失敗した。運命は変わらない」と諦めてしまう。

このチェヒのタイムスリップのうちひとつが冒頭のシーン。
本来の過去(1度目の2008年9月25日)は、スヒョクが幼少期のチェヒと話していたときに回想していた「俺と付き合わない?君を寂しがらせない」「ウソつき」の部分。
しかし冒頭シーン(タイムスリップした2度目の2008年9月25日)ではチェヒは素っ気なく返事をし、早々にシャッターをきっている。告白される前に現在へ戻り、スヒョクとの出逢いを避けて未来を変えようとした?→4のタイムスリップでも過去が変わっていたのに繋がる?

6:スヒョクがカメラを見つける。ここから2まではスヒョクのタイムスリップ。2011.11.7 離婚した翌日。チェヒが写真を撮ることでスヒョクは現在へ戻るが、そのときにチェヒが撮った写真はただの風景からスヒョクが写ったものへ変化した→過去が変わった?

5:2009.10.4 チェヒにプロポーズされる

4:2008.10.5 コインを投げるチェヒと会う。本来なら2008年9月に出会っているはずの二人だが、チェヒはスヒョクを知らない→冒頭シーンのチェヒのタイムスリップによって過去が変わった?
その後他の場面で知り合い結婚したことになっているのか?→やっぱり運命は変えられない?

3:2002.6.18 浪人生時代のチェヒと会う

2:10歳のチェヒと会う。

1:チェヒが部屋で写真を見返し、涙を流してシャッターをきる。3度目の2008年9月25日。指輪を二人分していることからも、ラストシーンのチェヒは現在からタイムスリップしたチェヒだということがわかる。今度は現在へ戻ることなくスヒョクからコーヒーを受けとる。

最後、スヒョクは自分を犠牲にしてでもチェヒに角膜と腎臓をあげるつもりでした。>おばあちゃんや少年に「もう来られない。遠くへ行く」「チェヒにあげられるものは全部あげる。俺の目で写真を撮って、できるだけ長生きできるように」と話し、殴られたシーンで「まだ死ねない」と言っていることから。
しかしその願いは叶うことなく殺されてしまう。
そのため、最後のチェヒは目が見えていないように見えます。>危うげな手つきや、視線を合わせないことなどから。
写真を眺めてはいますが、あくまで心の目で見ている感じかと。

つまり、病気を治すことも難しく、スヒョクも突然いなくなってしまった…孤独なチェヒはカメラに残された最後の一枚を使い過去に飛び、過去のスヒョクと人生の最期を迎えることにした(また、それは「逝くときはそばにいる」というスヒョクの約束を叶えてあげるためでもある)のだと思います。
冒頭シーンでは声をかけてきたスヒョクに素っ気ない返事をし、すぐにシャッターをきっていたチェヒですが、コーヒーを飲もうという提案や告白を受け入れた→シャッターを切らなかった→現在へ戻らなかったのは、そいういうことなのかなと。

長くなりましたが、これで大体の辻褄が合うように思いました。
細かなところでまだいくつか疑問は残りますが…まあドラマなので(^^;
おかしな点や追加でなにかあればどなたか教えていただけましたら幸いですm(_ _)m

この解釈だと、ふたりとも助からないという悲しい最後になってしまいます…
お互い愛情を感じ、チェヒの最期にそばにいるという約束は叶えられそうなので少し救いはありますが…
とはいえ、キャストのあたたかい雰囲気と柔らかな光が印象的な綺麗な映像、素敵なドラマを見られたなという気持ちになりました。
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