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ミセン-未生-のodamakinyanのレビュー・感想・評価

ミセン-未生-(2014年製作のドラマ)
4.4
記録として。Gyaoで8話ぐらいまで見たような記憶が。ただし、このドラマの場合はドラマの不出来不具合からではなく、あまりにもリアルで残酷な話で、かつてOLだったこともあって、身につまされて視聴ができなくなった。それぐらい作りこまれたいい作品で、また機会があれば最後まで見たいと思っている。何分五年ぐらい前だったからなあ、まだ私も若かった。ドラマ中でカン・ソラさんがロシア語をあやつる国際電話の場面が憧れで、あれからなんとなく私もロシア語学習をがんばっている。「俺たちはいまだ途中だから、ミセンだ」だったかな、とてもいいセリフである。

→アマプラで今年(2020年12月)最終話まで視聴。感想→最終話のラスト20分間までは非常によかったと思う。ラスト、ヨルダンに行っての話は男の夢みたいな感じで、ここまでの話が非常に現実的だったから、未来に希望を持たせるためにつけ足されたと思った。現実だと韓国国内だけの話に終わっただろう。営業3課のメンバーがオ次長の移った会社に集まるのも、そううまく行くかと思ったし、しかし会社を退職してそれで終わりだとあまりにも味気ないし、それだけが社会生活じゃないというのはよくわかった。それにしても最終話までの話は、一部上場の国際企業が舞台だったと思うが、非常に緊張感のある、しかも現実的な話が多くて、見ていて社会人になった人ならわかるエピソードばかりで、そのあたりは日本と韓国とではほとんど事情は変わらないと思った。嫌な上司、煙たい先輩、相手先会社との取り引きの駆け引きなど、サラリーマン生活をよく研究して脚本に仕上げている。しかしチャングレの下町の実家の様子は韓国ならではの風景で、見ていてほっとさせられた。このあたりの路地は、他のドラマでもロケによく使われている。きっと韓国らしい地域なのだろう。

ともあれ数年前には視聴できなかったドラマを最後まで視聴できて、ラストで「最後まで御視聴ありがとうございました。」のテロップ文字が出て来て、それを見た時は非常にうれしかった。個人的にも営業3課のメンバーは、はるか昔にOLだった頃にいた会社のメンツと重なる感じの人が多くて、見ていて懐かしい気分にさせられた。会社の部屋の間取りもそうだし、そのあたり、少し昔の感じに設定されていたのではないかと思う。おそらく私のような、かつて会社勤めをした中高年世代に向けて、作られた作品なのだろう。

惜しむらくは、タイトル「ミセン」のチャングレの碁のエピソードが思いのほか少なかったことで、かつて碁で好成績の選手だった以外にあまり話がなかったのが残念だった。しかしそれも、チャングレの一般的な契約社員という肩書きの邪魔になっていなかったから、その方がよかったのかもしれない。

BGMも秀逸で、ピアノ伴奏など、物悲しく落ち着いたいい曲だった。EDのバリバリの演歌も、この番組内容に合っていたと思う。とにかく全20話非常に内容が濃く、面白かったです。
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