まりぽっさ

トキメキ☆成均館スキャンダルのまりぽっさのレビュー・感想・評価

3.4
※原作小説『成均館儒生たちの日々』未読(あらすじのみ確認済)

史劇のなかで幾度となく描かれる成均館やそこで学ぶ儒学生たちだが、その殆どは端役として登場するのみ、本作は成均館の仕組や生活などが主役として扱われる稀有な文学作品ではなかろうか。

主眼をラブロマンスと捉えれば、十分面白い作品の部類に入ると思う。
…が、わざわざ舞台を「成均館」という歴史ある場所に据えて、その背景もかなり綿密に描き(特に前半)、魅力的なキャラクターを配した割に、ラブラインが後半にかけて妙に陳腐な路線を行ってしまったのが残念。
前提であるはずの「女であることを隠す」という表現も、もう少しちゃんと描いてほしかったな。前半の種まきが殆ど無駄だったように感じてしまう。(と思っていたら、この辺りはやはり原作とは異なるよう)

ハッピーエンドは歓迎だが、そして「新しい世の中」を描きたかったのかもしれないが、そうは言ってもエンディングも陳腐だった。主役たちの数年後が描かれるわけだが、疑問符が複数。
これなら… 舞台はシンプルに現代で良かったのでは。
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