諦観が終始漂うドラマ。
主人公ケイトは週刊誌の凄腕記者でバリバリ真実を追い求めてゴリゴリ記事を書くわけだけど、その終着点にはいつも「知らなくていい」という諦めというか、虚しさが漂う。
「記事のネタ」が、毎話それぞれこのドラマの軸であるケイトの出自に様々な側面から関わってくるのが見事だった。
そのぶん最終回の畳み方にはもっと時間をかけて欲しかったような気もするけど、あまりにも毎話毎話重厚だった弊害?かもしれないなと思った。結末云々というよりも、各登場人物の感情の移り変わりが見えにくかった。
キャスティングは端役に至るまで全員見事。
柄本佑は地上波の連ドラで見ることは今までほとんど無かったけど、この人以外考えられないくらい尾高さんだった。ケイトと尾高は、近年稀に見る、リアルなベストカップル。笑
演技力大爆発重岡くんは、ここによくジャニーズ投入したよな!という素晴らしい闇落ちぶり。リアルとコメディの塩梅が上手だった。彼がこのフィクションにおいて最も人間らしい素直なキャラクターだったように思う。悪役というのは、得てして人間味溢れるものである。笑
あと佐々木蔵之介演じる編集長。台詞だけ切り取ったら、彼がいちばん潔く的確だけど深みのある言葉をたくさん喋っている。知らなくていいコトと知るべきコトの境目に、彼はきっと誰よりも自覚的だった。
他にも編集部の面々はみんなイキイキと魅力的。ハードだけど笑、魅力的な職場だと思った。
劇伴も素晴らしかったです。
最終回で急に粗野に、力ずくになった尾高さん。何が正しいのかということにいちばん振り回されたのが彼で、答えがきっとハッキリ自分の中にあったのに、それに気付かぬふりをして無理矢理乗り越えてケイトの元に来た。その荒さだったのかなと思う。
彼にとっての「知らなくていいコト」というのは、何だったんだろう。ずっと考えている。