娘がド・ギョンスのファンなので、一緒に観た。"ヒーリング・ラブコメディ"という謳い文句だったので、軽いドラマかと思ったら、びっくり!引き込まれて一気に観てしまった。
あらすじ欄からは全く想像できない、統合失調症やパーソナリティ障害などの精神疾患を取り上げた、とても深い話だった。そして、その程度は別として、誰もが何かしら心の傷やコンプレックスを抱えながら生きていて、完璧な人間なんて一人もいないし、完璧になんてならなくていいんだ、という人間讃歌だった。
とは言え、突っ込みどころがなかったわけではなく、例えば人格障害で凶暴なジェヨルの兄。万事あんなに都合良くは行かないと思う。いくらなんでもやり過ぎの過激な治療もあった。
だから、私は途中で、こんな兄とは早く縁を切るべきだと、本気で思った。しかし、それとは真逆のアプローチだったことにハッとさせられた。実際には家族の問題をどこまで背負うべきかは、一概には言えないし、ここまでやるのがお手本とは思わないが、一つの観念として考えさせられるものがあった。
とにかく感動したのは、ジェヨルの自分自身との向き合い方。この難しい状況を、どうやって着地させるのだろう?失速しないだろうか?と心配になったが、終盤の展開は、予想を一回りも二回りも超えてきた。
特に、ガンウ君との場面は、全てが涙なくしては見られない。自己肯定の表現において、こんなにチャレンジングなドラマは見たことがない。スニーカーを履かせるシーンは、これからもまた観たくなるだろう。