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逃げるは恥だが役に立つの2MOのレビュー・感想・評価

逃げるは恥だが役に立つ(2016年製作のドラマ)
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夫婦を超えてゆけ
二人を超えてゆけ
一人を超えてゆけ

それは(おうち時間を「“うち”で踊ろう」と言い換えたように)あらゆる多様な個人を内包する恋のうた。
私たちを縛るすべての──当たり前、常識、普通、そんな呪いのような言葉からの解放をうたう愛の物語。

エヴァ世代の“若人”たちに限らず、日本中に蔓延る「逃げちゃダメだ」という強迫観念に、痛切なアンチテーゼを訴える。

逃げてもいい、生き抜くために。

自分の心を守るために。暮らしを続けていくために。生きることの面倒臭さに疲れ果ててしまわないように。

無様でかっこ悪くてもいい。「可愛い」という最強の合言葉のもとに、自分の、互いのありのままを認め合う社会。「ありがとう」そして「大好き」という思いが素直に重なり合う関係性。
そんな新たな営みを構築していこうというコンセンサスが得られるものならば。“今更”に、少しずつでも、世の中をより良く変えていける“アイデア”を奏でられるものならと。

誰のせいでもない、ただそこに残酷な事実が厳然としてある世界の。雨の中を、闇の中を、虚しさとのダンスフロアを──踊ってみませんか、恋のダンスを。音が止まる日まで。もう少し一緒に、つづく日々を生き抜いてはみませんか。いつの日か、そのメロディがすべてを越えて響き渡る景色を見てみたいとは思いませんか。

(ムズキュン!特別編 第10話、最終話鑑賞)
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