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逃げるは恥だが役に立つのろのレビュー・感想・評価

逃げるは恥だが役に立つ(2016年製作のドラマ)
5.0

折り合いって大事だよなぁ。

たとえば、毎日台所に立つようになってから‘家にあるもので’が献立を考えるときの基本姿勢になっている。レシピ本や料理番組を見ていると豆板醤とか香菜とか日頃使わないものに手を出してみたくなる。だけど七味や山椒、ニラやシソで代用しようと思えばできるし、肉がなければ豆腐やツナ缶、余っている野菜も入れてしまえと自分なりにアレンジするのも楽しい。分量ぴったり、レシピ通りの食材で作るより食材を余らせずに美味しいものが食べたい。そのための折り合いを実は付けているのかもしれない。

自分にとって譲れないものは何なのか。
みくりさんは自分の気持ちを素因数分解して、望んでいることを突き詰めてみたという。それは表面的なことを取っ払って本心を深堀していく、かなり手間のかかることだけどとても大切な作業だ。
折り合いをつけることは諦めに似ていると思っていたけれど、実際は自分にとって大事なことを見極め、それを守っていくことなのかもしれない。

「情熱大陸」風に自分を客観視しながら生きやすさを目指し、「ザ・ベストテン」のランキングボードに嬉しかった言葉を連ねることで喜びを噛みしめる。
そうやって保ってきた心のバランスが、両手に持ちきれないほどたくさんの荷物を抱えたことで一気に崩れていく。
トラウマや劣等感は対人関係の中で植えつけられる。だけどそれと向き合い、上手く付き合っていくのも、やはり人との関わりの中でしか得られない。

労働、専業主婦、育児・・・それぞれの生き方を模索し、時に討論を交えながらみんなで考えていく。いろいろなアイディアが出る、そのアイディアをもとにまた考えて発展させてみる。
一人じゃできないこと、誰かと一緒だからできること。
この積み重ねが生活を豊かにする。