ブタブタ

警視-Kのブタブタのレビュー・感想・評価

警視-K(1980年製作のドラマ)
4.0
「必ず、ホシをあげる!」
「はーい!」
の『警視庁・捜査一課長』って勝新の『警視K』と対極にあるドラマだと思う。
勝新太郎・脚本・演出・主演『警視K』
そのアドリブ、即興の演出は「ヌーヴェルヴァーグ」徹底したリアリズム重視の演出は「カサヴェテス」日本ドラマ史上最もカオスな前衛・実験刑事ドラマ。
脚本なし(あるのは勝新の頭の中)、セリフはほぼアドリブ。
出演者全員、自分が何者でこれから何が起きるのかすら分からない。
即興芝居によるリアリズムを追求したらしいがアフレコなし全て現場録音の為みんなボソボソ喋ってるので何言ってるのか全然わかんない。
警視庁の警視Kこと賀津(ガッツ、ガッツなのに何でGじゃなくてK?)は「特別捜査室」を勝手に作り日夜犯罪捜査に当たっている。
特筆すべきは刑事ドラマでありながら何が起こっているのか、捜査をしてるのかしてないのか、ガッツは何がしたいのかボソボソ喋ってて台詞は聞き取れないし何が進行してるのかそれともしてないのか、そのほぼ全てが見てるこっちは分からないという事。
『警視庁・捜査一課長』がまるでコントの様なお約束な世界。
お決まりの展開とお決まりのセリフ。
全てが分かりやすく様式美的なマンネリズムを極限迄突き詰めたドラマで、その割には最後は「防犯カメラに映ってた」とか非常に現実的でつまらないオチになるのに対して『警視K』は徹底したリアリズムの世界でありながら最後の犯人逮捕のくだりになると突然、警視Kが鎖の部分が5mある「輪投げ手錠」という有り得ない武器で犯人を捕まえる。
この「輪投げ手錠」漫画版『ジャイアントロボ・地球の燃え尽きる日』に登場する九大天王の1人、大塚署長も同じ武器を使ってる。
奥さんの玉緒さんがKの別れた妻、本当の娘がKの娘役で出てて最後は必ず娘とキャンピングカーでの食事と会話シーンで終わる。
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