干潟のある海辺の街。進路もゆらゆら不透明な高三男子が最後の夏休みに経験したあれやこれや。傍らにはずっと自転車———NHK制作の幻の傑作ドラマ。
大傑作。言葉で簡単に言い表せれない青春の淀みすべてが…
反復の映画。90年代に溢れることになる心象風景の全部の真ん中にあるようなショットをこれでもかってほどに繰り返す。誰もいなくなったロッカールーム、破壊された家と炎、自転車、水、水、水。転校する話予定調…
>>続きを読む溝口賢二に全く引けを取らないカメラワークと画面構成。
成瀬巳喜男に全く引けを取らないショットの連鎖。
山中貞雄に全く引けを取らない音楽性。
見始めてすぐに溝口の厳密なカメラワークを連想し、ワンシ…
水を張り始めたプールを自転車で走る水橋研二は劇中で繰り返される「魚になる」を体現するようだが、それも水で満たされるまでのつかの間の運動に過ぎないというこのドラマを象徴するかのようなラストに感動。モラ…
>>続きを読むいやー、 凄い...
本物だ。
繋ぎのギャップ、対角線を意識した構図、驚くような長回し、水、役者の運動、抜けの良いロケ、フィルターを駆使した光...
何処かたけし映画を思わせる死の香りと幼さ、そ…
青春を扱った作品は数あれど、最も印象に残る作品です。
NHKドラマで制作され、DVDにも成らずVHSのみしか存在しないのはとても信じられません。(NHKアーカイブにも無かったような。)
夏の…
「日曜日が終わらない」が「陰」だとしたら「水の中の八月」は「陽」(といったニュアンスだがそれでも切迫感は付き纏う)。冒頭の自転車2人乗りは北野武「キッズリターン」水槽は黒沢清「アカルイミライ」廃棄物…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
『日曜日は終わらない』へのつながりを感じる時間空間の浮遊、そしてまたしても凄まじいロケーションの数々、数分ごとに心を鷲掴みにされるショットに心が抉られる
タイヤの山、鳥居、海辺近くのコンテナ、埋もれ…
ロケーションと撮影、100点! とにかく眼が楽しい。それでもあんまり乗れなかったのは昔から無軌道な若者みたいな主題がどうも苦手だから。それを感傷的に流されても「おう……」としか思えなくなっちゃう。と…
>>続きを読む『水の中の八月 / August in the Water(1995)石井聰亙』と同名ですが、こちらは関川夏央の短篇小説のNHKによるドラマ化。英題は『Fishes in August 』
いつも…