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おしんのeclairのレビュー・感想・評価

おしん(1983年製作のドラマ)
5.0
297話、長かった!でも見られてよかった。
まず小林綾子ちゃんの少女時代が辛くて長く感じた。こんなに悲惨な世界があるのかと思うほど子どもには過酷すぎ、試練の連続。俊作兄ちゃん(中村雅俊)が目の前で射殺されるなんて最たるもの。兄ちゃんとの生活が満ち足りた幸せな時間だっただけに。
次の田中裕子のおしんは魅力的。常に生きることに精一杯で少しでも油断すると転落してしまいそうな危なっかしさもあるが機転と根性で乗り越えていく。時代の限界もあるだろうが、おしんの努力を拗ねて水の泡にしてしまう夫の存在がなんとも切ない。
最後の音羽信子のおしんは肝っ玉が座りすぎ。戦後、価値観が全く変わってしまうことに戸惑うがやはり努力と根性と体力の人。
貧乏は悲しい、絶対いやだ。でもお金があっても心が幸せになれるわけじゃない。本当の幸せって?
そして多くの出会いと別れ。印象に残る素敵なセリフがある。人にも物にも執着せず一つの可能性を捨てたときに次の可能性が生まれる。人は多くを持てないものだとつくづく思った。
名作。
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