てつこてつ

ダムド・ファイルのてつこてつのレビュー・感想・評価

ダムド・ファイル(2003年製作のドラマ)
3.8
シーズン1&2を併せての感想。

「きさらぎ駅」のU-NEXTでの関連作品で浮上。10月末で配信終了なので、各約20分×全30話を慌てて見てみたところ、ホラーオムニバスのシリーズとしてのクオリティの高さにビックリ。

メーテレという名古屋の準キー局が制作したこのシリーズは、後に沖縄の琉球放送が制作した「オキナワノコワイハナシ」同様、地元を舞台とした、いわば、地域密着型のホラーシリーズと言ったところか。自分も出身が愛知県なので、各エピソードのタイトルに必ず入る名古屋市の各区名はもちろんん、愛知県の犬山市、常滑市、渥美半島など、どこも馴染みがあるし、常滑のエピソードでは知多半島の海岸、渥美半島のエピソードでは岬が登場するなど、実際にそれぞれの場所でロケーションを行っているのが好印象。

シーズン1の最初のほうのエピソードでは地元の役者さんを中心に使っていたのか懐かしい名古屋弁、三河弁などを耳にすることが出来て嬉しく思ったが、後半~シーズン2は東京の役者さんが登場するので標準語がメインとなってしまっているのは、せっかくの地域色が削がれてしまって、やや残念。

その替わりと言っては何だが、思わぬビッグネームがちょこちょこ登場するのに驚き。温水洋一、ベンガル、中島ひろ子、松重豊、田中実、再ブレイクする前の西島秀俊とか実に豪華。彼らはもちろん、無名の役者さんたちも、皆、演技が達者なので、下手なアイドルなんかを主役に迎えるこの手のホラーシリーズよりもよほど質が高い。

ストーリーも特に第2シーズンに入って以降、捻りや新鮮な驚きやオチがある秀逸なものも多く、また、地上波の深夜でギリギリ放送できる範囲の恐怖演出や特殊メイクなんかも絶妙にいい。「ほん怖」「世にも奇妙な物語」をワンランク上にした恐怖レベルって感じかな。子供が主役でも容赦無く死んだりするしね。

但し、シーズン1の第一話、シーズン2の第1話と最終回だけ繋がりがあるテレビ局を舞台にしたエピソードは微妙だし、特に最終回なんてテーマが壮大過ぎて、CG技術がそれに追っついていないのでチープに感じてしまった。

日本のホラーオムニバステレビシリーズでは、個人的には「オキナワノコワイハナシ」に次ぐお気に入り。今から約30年前にこんなのが制作されていたとは感心。
てつこてつ

てつこてつ