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ごめんね青春!のAのレビュー・感想・評価

ごめんね青春!(2014年製作のドラマ)
4.8
静岡県三島市の仏教系の男子校(駒形大学付属三島高等学校)とキリスト教系の女子校(聖三島女学院高等学校)が来年度の合併へ向け、まずはお試しとしてクラスを作り文化祭を成功させようと取り組む、実際にあった話を元に作られた痛快青春ドラマ。

何度見たか分からないくらい見たけれど、何度見ても面白い。まだ見たことのない人がこれから初めての体験を味わえるのかと思うと本当に羨ましいくらい。(聖地巡礼済)

まずはテンポ。満島ひかりさん演じる蜂矢先生のハツラツし(すぎ)た雰囲気と、錦戸亮さん演じる原先生の少しなよっとした感じがまあ上手い。2人の掛け合いが気持ちいい。
そして学生。毎話で必ず中心メンバーの誰かに焦点が当たり、家庭の事情や性的マイノリティーについてなどの個性や自分自身の過去がくっきりと表れるような構成になっている。海老沢やあまりん、半田くんのように個性が強い人もいれば、成田くんのように個性が無いのも個性のような学生もいて、みんな素晴らしかった。
高校生という設定でなかなかキャラが自立している人は現実にそういないため、私は特に成田くんが好きだった。(箱根まで駅伝のシーンは特に圧巻。)

また、このドラマの好きだったところは伏線の回収の上手さ。原先生の放火に対する心のわだかまりのようなものが毎話で必ず出てきて、ただ楽しいドラマではなく、力が入る場面もしばしば。錦戸くんに頼り無さそうな演技をさせたらピカイチだと思う。

「男子と書いてアリと読むことにした」「腑に落ちないくらい我慢しなさい、青春なんだから」「理想と違うからとか条件が合わないとか、そんなの時間の無駄。人生は一度きりなんです。ガッついていこう!」この言葉に救われた人は少なくないと思うし、これから救われる人も多いはず。
このドラマ、当時の視聴率はそんなに高くなかったけど、日曜劇場にしては内容が内容だったのでみんな録画して見てたはず。私のクラスでは毎週話題になっていたほど。

私の特に好きなシーンは9話の川辺のシーン、蜂矢先生が帰ってきたお姉さんの愚痴を原先生にぶつけるところ。ひかりさんの演技は日本で1番だと思う。あのシーンを見れば分かる。でももちろん、最後の全てが分かるシーンや中井さんの引越しのシーン等、名場面がたくさんありすぎてどれも美しかった。

青春が腑に落ちなかった人、青春に悔いのない人、青春の定義が分からない人、全ての人に見てほしい。

7年経った今、学生役を演じていた人たちの中には結婚している人も、子供がいる人もいて、何だか感無量です。
今Paraviで見られるらしいので、見たことのない方はぜひ。

ある日、神様と仏様が仲直り
これが青春のはじまりでした
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