ShinMakita

ナチ・ハンターズ シーズン1のShinMakitaのレビュー・感想・評価

ナチ・ハンターズ シーズン1(2020年製作のドラマ)
2.0
「戦争は終わったと思ったか?違うんだよ。終戦は死者のみに訪れる」


1977年…ブルックリンで暮らすジョナは、成績優秀な19歳の若者。だが、老いたサフタ(祖母)を抱え、貧しい生活から抜け出すためにマリファナを売っていた。ある夜、何者かが家に入り込みサフタを射殺してしまった。警察は強盗と断定し、逮捕は難しいとジョナに告げるが、ジョナは腑に落ちない。犯人に「逃げても無駄よ」とサフタが言っていたのを聴いていたジョナは、顔見知りの犯行ではと考えたのだ。たった1人で調査を開始したジョナは、強制収容所を生き延びた大富豪マイヤー・オファーマンと出会う…



フロリダ、ケープカナベラルのホテルで、
グレーテル・フィッシャーという老婆がシャワー室で転倒して死亡した。グレーテルがNASA職員だったことでFBIが介入するが、捜査に当たることになったのは黒人女性ということでNY支局から厄介払いされたモリス捜査官だった。モリスは現場を一瞥し、単なる事故死でないことに気づく。シャワーノズルが改造され、毒ガスが噴出するように仕掛けられていたのだ。モリスは捜査を続け、グレーテルが戦時中ナチの化学者だったことを掴む。やがて彼女は、全米でナチ残党が不審な死を遂げていることを知るのだが…





「ナチ・ハンターズ」。amazonオリジナルのTVドラマ。

孤独な若者が、大富豪と出会ったことで「狩人」として覚醒する物語。獲物は、終戦30年を経た今も生きながらえて活動するナチスたちです。前半は、覚悟の足りないジョナの行動にイライラしますが、ま、碇シンジみたいなもんだと思って許容しましょう。

フェイクCMやフェイクTV番組のお遊びが過剰だし、ネオナチのキャラ造形や収容所の蛮行は戯画化されている印象を受けるけど、コミックヒーローアクションものよりはリアルで過激。というか、コミックヒーローとナチ狩りの対比が主題でもあるので、戯画的描写は故意ですね。ハンターズの長がアル・パチーノで、ネオナチの長がレナ・オリン。キャストも豪華だし、ハンターズメンバーの個性も魅力です。回を追うごとにメンバーの裏が見えてきて疑心暗鬼に陥っていくのも面白い。FBI捜査官のキャラもユニークで、黒人・女性・レズビアンという70年代にはかなり生きづらい人なのも凄いです。
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