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ナチ・ハンターズ シーズン1のESRのレビュー・感想・評価

ナチ・ハンターズ シーズン1(2020年製作のドラマ)
4.2
本作と同様ナチスを題材とした『ジョジョ・ラビット』がポップで、ナチスを人間味を残した描き方をしているのに対し、『ナチ・ハンターズ』は重々しい雰囲気で、ナチスも捕らえたユダヤ人を駒に、人間チェスで殺し合いをさせるなど怪物じみた描き方をしている。

1977年から始まるドラマ内で、スターウォーズの映画を観たり、バットマンやダースベイダーが会話の中に度々登場するように、ナチスに復讐するハンターズと、ダークヒーローである彼らとを重ねている。それはMCUっぽさがあるOP曲や、2話のコテコテの仲間紹介、ティーザー風の出撃シーン、マイヤーの「ヒーローに血はない、インクだ。肉体はない、紙だ。…私が闇になったから昼は生きられる」というセリフにも象徴的。
上記に通ずるものとして、悪人を裁くために罪を犯すことに対しての葛藤が描かれる。
過激さ故の賛否も製作側からするとある程度織り込み済みで、登場人物の葛藤を視聴者に対しても問うているように思えた。

終盤ある事実が明かされることによって(『アス』もそのような構成だった)、単に被迫害者が迫害者に復讐をするだけに留まらない複雑さを生んでいる。
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