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最高の離婚のMCのレビュー・感想・評価

最高の離婚(2013年製作のドラマ)
4.0
FODで視聴。2013年のオンエア当時も見ていたはずなのだが、僕は細かい内容はまったく忘れていたし、妻は見たことがなくて、一度見てみたいとのことだったので改めて視聴することにした。
キャスティングの妙というべきか、俳優、女優がそれぞれのキャラクターにハマっていて、その演技を見ているだけでも面白い。中でも瑛太のキャラクターは格別。演出なのかアドリブなのか、単語数の多い長台詞の中で、その表情だったり動作が、いちいち面白いし、見ていて飽きない。綾野剛も飄々として何に対しても無責任な変人キャラクターが合っている。
坂元裕二のドラマなので、それなりに 現在のトレンドや実情に合わせてはいるけれそ、テーマの根幹は普遍的で一般的な問題だ。そこにリアリティーを追求しようとすれば、当然いつもハッピーエンドというわけにもいかない。視聴者としては、ドラマで語られるテーマは時に重く感じられ、しんどいこともある。
この『最高の離婚』に関しては、ものすごくざっくり言えば、テーマは結婚生活ということになる。結婚生活を維持するのに必要なことは何か。他人同士が一つ屋根の下で、一日の大半を一緒に暮らすわけだから、我慢や遠慮は当然必要になるのだけれど、一番重要なのは、パートナーがいま何を考え、何を感じているか、想像することなんじゃないかと思う。想像なので、ときに全く勘違いをすることもあるし、まったく考えないで暮らすということも逆にまた、あり得ないのだけれど、せめてパートナーがいま、どういう心理状態にあって、この生活をどこへ向かって勧めようとしているのか。思いを馳せる「努力」ぐらいはしなければ、絶対に上手くはいかない。果たしてそれは社会にも言えるのであって、今の社会は自分以外の人間が、その瞬間、何をどう考え、感じているのか、想像するという意識が不足している。政治家のようにどうでもいいことを忖度するのを止めて、いま目の前にいる人間の気分や感情を汲む努力を怠ると、あちこちで小火や炎上、小競り合いがが起き、穏やかな社会からはますます遠ざかっていく。そういう視点で『最高の離婚』を見ると、社会への警鐘と取れる部分もあるし、何より女性をなめてかかると大変な事態に見舞われるぞ、という注意喚起の意味も込められていると思う。