うるゆん

Motherのうるゆんのレビュー・感想・評価

Mother(2010年製作のドラマ)
3.8
2020年夏にトルコ版を見てから、2021年7月にCS一挙放送で視聴。逆輸入感覚で見てしまったけど、トルコ版が日本版(原案)をものすごくリスペクトして再現してるなと感心した。

motherの「t」は十字架だったのか…。
重いテーマだけど、芦田愛菜さんの愛くるしい子供っぷりと三女の彼氏が和ませ役になっていて良い感じ。毎度田中裕子さんが立つ台所はまな板トントントンとすごく安心できる美味しい音がする。
施設に行ってからも字幕は「継美」になっていたので、忘れたわけじゃない…とても賢い子なので表面上は怜南呼びで過ごしているけど、心は奈緒さんだけをお母さんだと思っているのが電話で伝わってきて泣けた。

ドラマを見て終わりじゃなくて、もし自分が虐待されてる子供に遭遇したら?もし家族がよその子供を連れてきたら?どうするのがベストなのか考えるようになった。
虐待された子供は親を決して悪く言わないし、幼少期は親が全てな世界なので自分が悪かったのだと思い込んで育ったり、逃げてきても毒親の甘い言葉を信じてまた元の生活に戻ってしまうパターンもあると思う。
ドラマ内で悲惨な虐待シーンはなかったけれど、怜南ちゃんが7歳で赤ちゃんポストに行きたがり、実の母親を突っぱねたのすごい…どんなに可愛がられた思い出があっても「この人は無理だ」「彼氏が変わったところでもう信じられない」「自分を大切にしてくれない」「いつか殺されてしまう」と判断できるまで何度もつらい目にあってきたのだと思うとめちゃくちゃ心が痛んだ。