はらたく

家なき子のはらたくのネタバレレビュー・内容・結末

家なき子(1994年製作のドラマ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

あまりにも有名すぎて「同情するなら金をくれ」が今はちょっとネタみたいな扱いをされてる😹笑。もちろん昔からこのドラマは知ってたし、「空と君との間に」が野良犬のリュウの視点で書かれたことも知ってたけどちゃんと観たことは無かった。でも本当に名作で、1日で最終話まで観てしまいました!劇場版とシーズン2はまだ観れてないのでこれから観たいです!

あまり地上波のコンプライアンスが厳しくない放送当時だからこそ、想像していた以上に人の残酷さ・暖かさがリアルに描くことが出来ていた。規制が多くなり、当時の様な表現が出来なくなった今も世の中の残酷さは変わらないのに。
物語を通し、最終話までほとんど人の心を持たないような悪人として描かれていた父親は第2話で倒れた「先生の父親」に目を覚ますよう必死に呼び掛けていた。すずの心の支えになっていた「先生」は最終話で完全な悪人になった。主人公のすずも、窃盗団のババアも物語が進むにつれて愛に溢れた人物として描かれるようになったけど劇中での行動は悪人そのもの。このドラマの登場人物は、「良い人、悪い人なんていない、誰もが心の中に善と悪を持っている」という真実を視聴者に叩きつけているように見えた。
放送当時まだ生まれてすらなかった自分も社会人になり、「人は裏切る」「大人はみんなカネゴン」ドラマの中ですずが教えてくれたことが分かる年齢になりました。2021年の現代、コロナがいつまでも収まらず、コロナ禍でのオリンピックをやるだのやらないだのでみんなが政治家に不信感を持って、路上飲みをする人達が街に溢れて日本が大変なことになっている今こそ、このドラマが、すずとリュウが必要なんじゃないかと思いました。もう彼女達が帰って来ないなら、代わりに誰かが世の中のカネゴン達に向かって言わなければならない。
「同情するなら金をくれ!」って🐕
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