コロンボや古畑のような倒錯物なので、謎解きを楽しむよりは役者さんの演技を楽しむとよさそうな作品。
漫画原作なのでキャラクターのデフォルメが強いので、そういった演技を楽しめる場面が多い一方、好みによっては胃もたれしかねないギリギリのライン。
個人的には、普段から癖の強い北村有起也さんがいることで「ドラマ」であることを意識させられるので、客観的な目で楽しめてます。
その分感情移入出来る余地が少ないので、犯人が落ちる場面などでは結構心を抉るバックボーンがあるにも関わらず、欲動しきれないことも。
ただ、エピローグでもう一波心を揺さぶられる場面があり、ドラマ中盤までの無感情移入ゾーン→感情移入しきれない解決ゾーンを経た効果もあって結構グッと来ます。
中村倫也さんの淡々とした演技の中に挟まれる人間的な明智五郎像や、小芝風花さんのいつもおちゃらけているのに明智の深淵に触れて悩む苺像が現れるエピローグは毎回楽しみです。
小池栄子さんのマリア像は美しいんだけど、カリスマ性を身につける過程が突然変異すぎたり矛盾が生じていたり説得力なさすぎなことが残念かつ物語が進んでもずっと頭の中を付きまとう最大の弱点かも。
