ぱーでんねん

MIU404のぱーでんねんのネタバレレビュー・内容・結末

MIU404(2020年製作のドラマ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

あらすじ
警察庁の働き方改革の一環で作られた架空の設定の臨時部隊警視庁刑事部第4機動捜査隊が舞台。
ストーリー
これからタッグとして協力してやっていこうとしていた志摩だが、横暴な伊吹に呆れ、冷たくあしらう。
1話初めで綾野剛の横暴さを見せたかと思いきや、中盤では星野源のできる所を見せ、2人のタックがこれから活躍しそうな予感を漂わせる。
「自分の正義を振りかざすやつは嫌いだ」
「どうして煽り運転をするのか」「負けたくないから」と社会風刺も効いている。
「現住の刑事の9割は引退まで拳銃を抜かない」が、伊吹は既に銃を犯人に向けたことのあると振っておいて、拳銃を向けていると思わせておいてからのおもちゃのオチ、緊張と緩和が上手で、綾野剛の演技力の高さを感じた。
キャスト
星野源は逃げ恥のイメージが強いだけに、今回のフランクな雰囲気のキャラに違和感があると思っていたが、綾野剛が演じる伊吹と比べれば非常に硬いキャラで、硬派な真面目キャラがはまり役だ。伊吹はとても横暴なキャラで、この2人の温度差が見ていて面白い。
箱根駅伝が大好きな綾野剛に合わせにいった足が速いという伊吹の特徴。綾野剛のこの部分だけを切り取ってもこれからも見たい作品。
また、中学聖日記主演の岡田健史は九重世人役を。中学聖日記で演じた黒岩の友人の男の子の名前が九重だったが、何か関係があるのだろうか。
ナウチューバーの役を演じる渡邉圭祐。見覚えがあると思ったら、恋つづに小児科の医師で香里奈と付き合う役で出演していたことを思い出した。
他には、よんまりに出ていた橋本じゅんは九重とタッグを組む陣馬耕平役。
テクニック
車が衝突する前のシーン、かなりワクワクした。絶妙なSEと主演2人のぶつかることに覚悟を決めた表情がすごく良かった。
最後の水溜まりアップのカットに女の子がジャンプするシーン、何の意味があったのだろうか。
作品として
綾野剛の靴は今年の箱根で1番履かれていたヴェイパーフライネクスト%。犯人を追いかける伊吹の足元にアップがなされていて、ヴェイパーがとても輝いていた。綾野剛のランニングフォームも綺麗なフォアフット接地で、徹底っぷりが良かった。ナイキの最高のプロモーションになっただろう。
どうして404という数字だったのか。作品内でもあったがネット上の404は存在しないページという意味。これから触れられるのだろうか。
ストーリーが1話の中でも転々とするだけに
少し入ってきにくい部分もあったが、ラストでは綺麗にまとめ、面白い作品になりそうな予感。でも、それはそのはず。キャストはさておき、スタッフのメンツを見てみればTBSの力の入れ具合が見て取れる。逃げ恥も務めた野木さんが脚本、中学聖日記を手掛けた新井順子プロデューサー、グランメゾンを担当した塚原あゆ子さんが監督。そりゃ面白くないわけがない。これから非常に楽しみだ!
ハート
「マウントの取り合いは悲劇しか産まない」冷静な志摩のこの一言、カッコよかった。

2話
ストーリー
志摩と伊吹の2人がコンビとして絆が出来始める。
本話のテーマは人を信じること。
人質が容疑者を信じて、警察から容疑者を逃がす、あんまりない展開。
テクニック
メロンパンの車や事務所の場所が変わったことの出し方が上手い。それ以外のことで揉めている時に寄りでとって、話題が出たところで一気に引いて見せる。
事件現場の概要の見せ方も上手い。モノクロ調で画面に事件の鍵となるものだけカラーで紹介。大切なところ以外は早送り、大切なところはスロー。グランメゾンの料理のシーンと似た演出。
富士山が見えたところでクライマックスを煽るSEが良かった。

3話
ストーリー
毎話、冒頭の事件の見せ方が緊迫感あって盛り上げ方が上手い。それから登場人物のプライベートのほんわかした内容を見せ、ギャップを上手く使ってる。
「合図がいるんじゃないのか?」「あぁ」「(2人同時に)待て警察だ!」のくだりは思わず声出して笑った。
いたずらをしている高校生たちは、先輩の薬物使用によって活動停止となっている陸上部員だった。
「何を聞いてものらりくらり。不都合な事実を隠そうとしている人、特有ののれんに腕押し状態。」
テクニック
4人で小さな机に集まってご飯を食べるカット、微笑ましかった。
円陣を下から撮ったカット。「警察は正義の味方」感をアピールしたの最高にかっこよかった。この雰囲気を強くしてるのは橋本じゅんさんのキャラクターだろう。
キャスト
高校生のキャストは前田前田の弟や女の子は関テレ制作の「10の秘密」に娘役で出てた山田杏奈さん。
真犯人は、岡崎体育。犯人としての気持ち悪さがよく出てた。
様々な作品で脇役として活躍している大倉孝二さんが言った「こっちは警察なんだよ。通報がありゃ調べもするし、助けもしまよ。」のセリフかっこよかった。この大倉さんと吉田ウーロン太さんは、アンナチュラルで西武武蔵野署の刑事役で、同じ名前で出てたみたい。野木さんの作品だからできたことであって、こういうの知ってる人からしたらかなり熱いポイント。
作品として
四機捜は、初動しかしないため部署のため、事件解決の最後までは見届けられない。だが、3話終わりに新たな悪役として菅田将暉が登場し、3話から話が膨らんでいきそうな雰囲気。楽しみだ。
ハート
「ピタゴラ装置、連鎖的に運動する仕組み。たどる道は真っ直ぐじゃない、障害物があったり、それを避けたと思ったら、横から押されて、そうこうするうちに、道を間違える、罪を犯してしまう。自分の道は自分で決めるべきだ。だが、人によって障害物の数は違う。人によって正しい道に戻れる人もいれば、戻れない人もいる。誰と出会うか、出会わないか。この人の行先を変えるスイッチは何か。その時が来るまで誰にも分からない。」
「救うべきところは救おうというのが少年法。私は彼らが教育を受ける機会を失った結果だと考える。社会全体でそういう子達を救えるかが5年後10年後の治安にかかってる。」伊吹も言っていたが、隊長かっこよかった。
大会に出る機会を失った学生アスリートが走りたい一心でいたずら心で罪を犯す。お願いしても、学校は話を聞いてくれない。この生徒の気持ちになったら、とても心が痛くなった。

5話
ストーリー
本話のタイトルは「夢の国」
日本を夢の国だと思って出稼ぎにきたが、不当に働かされる外国人留学生にフォーカス。
強盗の隠語・たたき
時と場合によって意味が多様化する難しい日本の「大丈夫」使ったりと、上手く留学生問題を現実味を持たせて見せている。
キャスト
岡田健史の熊本弁 ばい
テクニック
カタコトで訴えかけることでより響くように演出
ハート
「気づいてしまってズレた社会を伊達メガネで誤魔化して誤魔化しきれなくなったんだろな。」

6話

ストーリー
今話は家がない人、家出少女がテーマ。その中に、今話題のウーバー的要素を盛り込んでて、時事ネタも逃してない。
警視庁と違って警察庁は直接捜査しない、役人ばかり。
九重と陣場の関係性が徐々に構築されているのがとても良い。問題視されている現代の若者とどうやって向き合っていくかの社会問題をうまくドラマにしている。
キャスト
今日の綾野剛のシューズはヴェイパーのネクストパーセント
テクニック
やっぱり遺体発見現場のフィルター早巻きカットはうまい。
ハート
ただ生きてるだけじゃ死んでるのと同じ

8話
ストーリー
以前、志摩の過去について伊吹が助け、解決し、今回は伊吹の恩師の話で志摩が伊吹を助ける。
ハート
記憶がなくなった人への絶望する気持ち

9話
「おれたちの仕事はできなかったことを数えるんじゃなくて、できたことを数える」
高さも確認せずにビルから飛び降りた伊吹
非常に感動的で面白い1話だった。
最後の黒幕をエトリにするかと思いきや、菅田将暉演じる久住をトリに持ってきてた。
テクニック
開始20分の内容に気持ちが着いていきにくかった。これまで1話完結だった為に、前半は軽い雰囲気で見せていたのに、今回は前回の事件での伊吹の落ち込みを引き続いて見せたことで、1週間明けて見る側としては感情移入しづらい部分があった。でも、成川がハムちゃんに近づいた辺りで、SEの煽りと共にぐっと入り込んで見れた。