2020年で1番面白いオリジナルドラマ作品だと思う。アンナチュラルとのクロスオーバーもファンには感涙ものだし、野木亜紀子の脚本、塚原あゆ子の演出や映像手法のみならず、米津玄師の主題歌や得田真裕の劇伴も良いし、各回ゲストも含め全てが秀逸性に富んでいる。そして何といっても綾野剛と星野源のバディがピッタリフィットしているのが魅力。初回から綾野剛演じる伊吹が走る走る、全力疾走。走るシーンになると高価なNIKE製陸上競技用シューズになっているのも注目。途中悲しい出来事があるものの、志摩演じる星野源との絆の深さが一気に深まる。その2人が乗る車がメロンパン号という設定も面白い。2人に関わるサブキャスト麻生久美子、岡田健史、橋本じゅんなどもしっかり個性を際立たせているし、物語の根幹に菅田将暉をフィクサーとして配置したも抜群で、更に素の関西弁にしている所が効果的かつ高圧的で扱い方も飛び抜けて良かった。ひとつ惜しかった欠点挙げるとすれば、当初は全15話で進めていたのが、コロナ禍により放送延期、話数短縮を余儀なくされた事くらいで、実質的には非常にバランスが取れた令和時代のニューコンセプト刑事ドラマであった。
