ぜろ

MIU404のぜろのレビュー・感想・評価

MIU404(2020年製作のドラマ)
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MIUサントラの伊吹くんのテーマ、旋律の際立ち様から(走ってきてるんだな…)と思ったらバックでサイレンの音が聞こえて(後ろから志摩が車で来ている…)と分かった気になってしまって公共の場で一人で笑ってしまった

家出してる10代に「福祉を頼れ」と言ったり、女性二人と子供の家庭があったり、あと他にもいろいろ当たり前にある小さなことを当たり前のように言う大人が出てきてもう本当に当たり前なのにそれが当たり前であるということに泣いてしまうMIU404でした…。

綾野剛の伊吹藍、はじめ「足が速い」「耳が良い」というのは単なる星野源=志摩=静のキャラクターに対する動のキャラクター付けだと思ってたんだけど、それだけではなくて「人の『助けて』が聞こえる/そこへ走って行ける」人であるという意味付けになっていてぐっときた。

久住はメケメケフェレット改めメフィストフェレス、悪魔と言われていたけど、自分はバットマンのジョーカーを連想したな。それまでの1話完結型のプロットの肝だった「犯罪者の物語」に対応するキャラクターであり、(矢印はそれを消費する視聴者にも向いた)(物語として消費できる形にした番組の)自己批判でもあると自分は受け取った。
悪役をクライマックスで卑小にすることもせず、気を違わせることもせず、正体のなさをああいう帰着で保たせるのすごいバランス感覚だと思った。銃を突きつけられた菅田将暉の緊張した芝居がとてもよかった。

なお、この伊吹くんのテーマは曲が盛り上がる最後の方にもう一回サイレンの音が重なって終わるので、多分志摩も車から降りてきて2人で犯人捕まえたんだと思う
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