殺人事件の犯人だと思って逮捕したらその人には完璧なアリバイがあったというミステリードラマに見せかけたホラードラマ。
絶対に科学的に立証できない事件とどう闘うか？と奔走する刑事、探偵、弁護士達。
ドラマとしてあまりにも面白過ぎて辛い。
結末も辛い。
証拠を集めて検証しても絶対に辻褄が合わない。
じゃあどうする？ってなってからの展開が最高。
また、絶対に科学的に立証できない事件と立ち向かうことが結果的にベン・メンデルソーン演じるラルフと妻ジーニーの心の傷のケアになっている構図が良い。
最近の流行りのテーマ（喪失による心の傷のケア）を別の方向から切り込んでいく。
超常現象と立ち向かうことが心の傷の修復に繋がる。
最終話は蛇足だと思う部分もあったが、全話を通すととても満足感を得られるドラマだったと思う。
こんな壮大な物語だなんて思いもよらなかった。
原作がスティーヴン・キングの小説なので一連の事件の犯人は多分中間世界からやってきた化け物なのだろう。
ジェイソン・ベイトマンが役者としてだけでなく、製作総指揮にも1、2話の監督にも名前を連ねていてセンスが良い。
ベン・メンデルソーンとシンシア・エリヴォが良いバディで心が躍る。
超常現象を信じられない刑事と（多分シャイニング持ち）の私立探偵が徐々に見る視点（世界）を合わせていく過程が素晴らしい。
ベン・メンデルソーンがとにかく良い演技をしていてこんな俳優だったんだ！？と驚いたし一瞬で好きになってしまった。
悲しみを抱えてぎこちなく生きる刑事をとても繊細に演じていて本当に凄かった。
単純にベン・メンデルソーンとシンシア・エリヴォのバディがもっと観たい。
メインキャストがシンシア・エリヴォ以外白人なのでそっか〜ってなっていたが、最終話でバンバン人が死ぬので、多分あのキャスティングで良かったんだろうなとは思う。
個人的にはベン・メンデルソーンを支える上司を演じたユル・ヴァスケスがめっちゃ良かった。
貴方今までどこにいたの？って驚くくらい良かった。
また、個人的に信用できる！と確信したのはラルフの妻、ジーニー役の俳優がベン・メンデルソーンより10歳年上のメア・ウィニンガムを起用していたところ。
メイトランド夫妻を演じた俳優達の年齢差が3歳差なのもベストキャスティングだった。
ハリウッド業界で旦那に対して妻の年齢が若すぎる問題が取り沙汰される中でこのキャスティングは信頼しかない。
シーズン1で打ち切りらしいが、作品としての出来が凄いらしいのでHBO以外の会社を探しているらしい。
これ絶対Netflixがお金出した方が良い。
無事にシーズン2が決まりますように！！
