第1話。明暗際立つ美しい撮影とテレンス・ブランチャードのトランペット、脂の乗った主演マシュー・リスによって香り立つフィルムノワール。愚直なまでのオールドスタイルだが、ゴージャスなプロダクションデザインとバイオレンスはHBOならではの2020年仕様だ。
最近流行りの立体タイトルがカッコいい。脇役の顔ぶれも良く、第1話では被害者の母親役で『GLOW』のゲイル・ランキンが爆発的パフォーマンス(若い頃のエリザベス・モス似)。御贔屓シェー・ウィガムは髭面で最初は気付かなかった。
リッチなプロダクションデザインに対し、役者は曲者揃いで第2話からはカリスマ的人気を誇る伝道師役でタチアナ・マスラニーが登場(さすがの巧者っぷり)。その母親役に誰かと思えばリリ・テイラーがいる!
第3話。しっかりツボを押さえた的確な演出で盛り上がる。監督のティモシー・ヴァン・パタンはHBO歴代看板作品を手掛けてきたベテラン(俳優出身でもある)。毎話、群衆シーン等スケールが大きすぎて久々に『映画級!』なんてお決まりの文句が頭をよぎる。
第4話、ここでも「女は感情的だ」と言う男達が出てくるが、老害化し、保身に走ったEBこそ感情的だろう。『ザ・クラウン』に続いて黄昏を演じるジョン・リスゴーが名優の仕事。監督はトルコの女流デニズ・ガムゼ・エルギュベンに交代(傑作『裸足の季節』の監督!!)。
E6。E5でセットアップが完了し、いよいよリブート版『弁護士ペリー・メイスン』としてスタートする。突然ガラッと雰囲気が変わり、オリジナルを見てないとアがり切れないのかなとも。マシュー・リスを眺めるだけで元が取れるし、このドラマは群衆シーンがダイナミックでいい。
完走。後半からはあまりのめり込めなかった。今シーズンでリブートは完了したので、シーズン2からが面白くなるのでは。