シガーandシュガー

雲霧仁左衛門のシガーandシュガーのレビュー・感想・評価

雲霧仁左衛門(1995年製作のドラマ)
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雲霧仁左衛門という大盗賊のキャラは、おそらく誰もがこの山崎努演じる彼に惹かれるだろう、渋くて深いが余計なものが一切ない性格付けがベストだと思う。雲霧の片腕である吉五郎as石橋蓮司も山崎努に負けないならこの人という良いキャスティング。
1話ごとに緊迫感も程よくあり、次回への期待もうまく持たせてある。

個人的には雲霧なら仲代達矢の映画版も贔屓なのだけど、あちらに比べるとどうしてもこのシリーズは雲霧一党に優等生感がある。理由はどうあれ盗賊が出来るという狂気が(山崎・石橋は敢えて抑えてるのでは?)足りない気がする。池上季実子の七化けのお千代とか、ルックスはともかく目がまとも。同じ時代劇で密偵や料亭の女将を演じている梶芽衣子くらいの、正気と狂気のゆらぎがあればと思う。
他で気になるのは、因果小僧六之助の佐藤和久は花がなくて、画面が持たない。六之助が出てくるのが待ち遠しいくらいのキャストを当てれば、もっと雲霧一党にロマンが出たように思う。

なんとなく、手頃なお菓子のパサパサした後味なんである。もったいない。