FranKa

問題のあるレストランのFranKaのレビュー・感想・評価

問題のあるレストラン(2015年製作のドラマ)
4.8
● EP.1-2: 男性ホモソで成立する会社政治・社会を、ややもすると誇張的に描き過ぎているような気もするが、少なからず「女性」やLGBTQ+の人たちが日々経験していることを伝えているようにも思う。男性に阿る、高畑充希が演じるような女性もいることも、事実。マイノリティとしての「女性」のあり方ひとつとっても、一枚岩ではない。

● EP.3: 千佳ちゃんのライフヒストリー。料理が上手=料理が好きが背景にあるわけでは、必ずしもない。これから、料理が上手→料理が好きに変容できるといいな、と思わせてくれる。

● EP.4: 新田のライフストーリーの回。川奈のライフストーリーの回でもある。二人は共通の境遇だったけれども、社会のなかで生き残るために、異なる戦略を採っただけであって、根っこの部分は相互に通じるものがあるのでは、と思う。

● EP.5: (1) 藍里には藍里の辛さがあることが、描出されている回。本音で思うことが言語として表に出せた時点で、タマコらのビストロが、既に藍里の「居場所」になっている気がした。(2) 自分に誠実に向き合わない人は、他人の道具にしかならないことを、この回は描いているようにも感じた。(3) 「俺の嫁になれ」は、池辺の藍里に対する言動と同様に、生理的に鳥肌が立つくらい、個人的には受け入れがたかった。

● EP.6: (1) 最後の烏森さんに、すべて持っていかれる。人の尊厳を護るためには、ときに、《闘う》ことも求められる。(2) 新田と藍里が和解できてよかった。

● EP.7-10: 後半はやや失速気味だった印象。無理矢理閉店に収束させるような展開だった。個人的にハイライトだと思ったのは、やはり、新田と藍里のライフヒストリーの描き方と、それがどのようにかれらの「現在」に繋がっていたのか;そして、そんな過去の自己から解放された清々しさだと思う。
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