Train

ザ・ソプラノズ 2つのファミリーを持つ男<ファースト・シーズン>のTrainのレビュー・感想・評価

3.8
日本では知名度が低いがアメリカ本国では何度もエミー賞を受賞した名作ドラマの一つ。完結から14年を経た2021年に前日譚映画が作られた。

所謂マフィア物だが従来の作品と違うのが一人一人プライベートの部分を時間を割いて描いているところ。とりわけジェームズ・ガンドルフィーニ演じる主人公トニー・ソプラノがその顕著な例。

トニー・ソプラノはマフィアのドンである以前に父親であり夫であり男である。仕事では仲間が起こした不始末を片付け、家に帰れば子供の問題や妻の小言に対応しなければならない。仕事と家庭の間で板挟みになり毎日ストレスフルな生活を送る彼はある日発作で倒れてしまい、精神分析カウセリングを受けることになる。そこで明かされていくのは子供の頃の母親からのトラウマであった。

短気で気に入らないことがあれば暴力を振るう、なよなよした奴を許さない、一見マチズモに支配された男に見えるが実際は後悔や嫉妬もする繊細な人物であることが分かってくる。じっくり時間をかけて描かれる人物描写は中々に興味深い。

人物描写と同時に時代が進むに連れ衰退していくマフィア界の儚さや格好良く見えて実際はアホばっかのマフィアの馬鹿馬鹿さをブラックユーモアをたっぷりに描くのも良い。

面白いことには面白いが正直長い。約1時間✕13話(シーズン6はプラス9話)×6シーズンは流石に長かった。回を重ねる毎に盛り上がっていくタイプのドラマではない上に割と同じ展開が繰り返されるので連続で見ると飽きてくる事もタジタジ。

追記
大原さやかや石田彰の声も聞けて良かった。
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