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Womanのktのレビュー・感想・評価

Woman(2013年製作のドラマ)
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女性が子供を産み育てることをテーマの幹にして、幸せ、正しさ、男の役割とは何か、社会の矛盾などを繊細で細やかな日常描写を軸に描こうとした作品
特に印象的だったのは地続きのライブ感。
具体的にはエピソードの山場、感情の高鳴りの場面でカラオケ店員が入ってきたり、ヤカンが沸いたりなどの他者や生活音の介入が入ることで、それはドラマ内だけでなく私たちの日常へと地続きで繋がっていることを想像させる。
あと9話のさやえんどうのシーンで、田中裕子と満島ひかりの繊細なやりとりがすごい。
ティッシュや魚の煮付けの話など、あるあるや共感から微妙な距離感、視線や体の向きに影響が生まれ、2人の関係性が変わっていく。
最後に襖の境界線を2人が超えて、初めてお母さんと言う満島ひかりの台詞に行き着くまでの、田中裕子の緻密さと集中力がすごすぎた。
日本人ならではの繊細な間や細やかさは、他の国ではあまり見られない独自の文化であり、日本のドラマにおける大きな魅力の一つだと思う。
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