みほみほ

呪怨:呪いの家のみほみほのレビュー・感想・評価

呪怨:呪いの家(2020年製作のドラマ)
3.6
この世の地獄を 全て散りばめたような胸糞の悪さが、胃をジリジリさせた。純粋にホラーが観たいだけなのに、どうしてこうも不快な思いをしなければならないのか…最初はずっとそう感じて、不快感でいっぱいだった。


1話、2話は耐え難い嫌悪感との闘いであり、登場人物はクズばかり。不快度指数が高過ぎて、イライラしていたが、3話からは目が離せなくなり、4話、5話、最終話は流れるように観終わった。少しずつのめり込む自分が不愉快だった。 


呪いの家は強い怨念を持ち続け、住んだ人、訪れた人を取り込み続ける。荒川良々は今までの呪怨に重ねると例外な存在だが、あの家の忌まわしさを語るには十分な存在感だった。


印象に残った事を書き残していくと……
作品内で登場する実在の事件を模したニュースがリアル過ぎたので、いくら架空の名にしても強い嫌悪感は消えなかった。コンクリ加害者の写真とか凄くリアルだったんだけど…あれまさか本物使ってないよね。だとしたら本当に無理。

風化させてはならない事件だから、取り上げる事は構わないけど…ホラー作品の中で、作品を盛り上げる為の一環として、人間の業を感じさせる為の演出手段として用いられるのは許せなかった。

今までの呪怨はあくまでフィクションとして観ていられたが、今作は現実味を増す為か…実在の事件を絡ませて、より陰湿になっているので、あり得なくもない地獄を見せられてげんなりした。


宮崎勤なんか登場させちゃって…一体何がしたいのか迷走しちゃってるしさ…


段々慣れてきた自分もいたが、ホラー枠の中で実在の事件の凄惨な雰囲気を作品とリンクさせる必要があるのだろうか?私がもし殺された者の親類や友人だったとしたら、腹わたが煮えくり返る思いになる事が想像出来たので、良い気持ちはしなかった。


人殺し〜!じゃねぇ猫殺しが!って感じのクズ母ちゃん、教師、雄大を始めとした同級生、家庭がありながらW不倫する夫婦、なんかもう見てられないくらいに登場人物がクズ過ぎて…絶句。

あんな環境でどう正しい道に進めばいいの…っていう聖美が不憫だった。聖美には幸せになって欲しかった…。私としては…聖美の母親が一番気持ち悪かった。娘に張り合いたがる性欲お化けは実在しそうで本当に気分悪かった。


あの家を基盤として、色々な人や家庭がリンクする瞬間が面白かった。赤ちゃんに関する演出はあまり怖くないし、ちょっと可哀想になっちゃうから切ないけど…切り裂きに関しては妻がクズ過ぎて、特になんの感情も浮かばず……

助けなきゃ!ってつぶやいた夫の健気さが苦しかったです。


不快度指数がだいぶ高い作品なので、観なくて済むなら別に観なくて良い作品だと思います。私は呪怨シリーズ全通してるファンなので、観ないわけにはいかないのでワクワクして観ましたが…見事に不快感にやられました。

でも不快感を乗り越えれば、引き込まれる力の強い面白い作品でもあったので、ホラー好きな人にはとりあえず観てほしい作品です。

あの終わり方じゃ、きっとシーズン2やるんだろうなぁ…。次はどんな事件を出してくるんだろうね……


このドラマを見て、人間が起こす事件の凄惨さに打ちのめされました。何でもホラーと結び付けて欲しくないけどね…特に宮崎勤。

THE 人間(社会)の闇。
色んな意味で怖かったドラマでした。
みほみほ

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