土の中からこんにちは太郎さん

呪怨:呪いの家の土の中からこんにちは太郎さんのレビュー・感想・評価

呪怨:呪いの家(2020年製作のドラマ)
4.5
呪怨とタイトルに名の付く物を初鑑賞。
こっえー!!!
日本という国とそこに建つ家のジメっとした湿度感のように、まとわりつく恐怖。

観ている時も、全話観た後もぞわぞわっと来る怖さ。
鑑賞後も尾を引いて、しばらくは暗闇を見て良からぬ想像を膨らませてしまって落ち着かない日々を送っている。

恐怖のボキャブラリーが豊富なのが良い。
呪われる・呪われないのランダムさが不条理でコレと言った打開策が無い。
コンクリ殺人事件や名古屋妊婦殺人事件、兵庫県南部地震などの実在の事件・災害が社会に及ぼした不安が作品内に散りばめられていたり落とし込まれていて、この塩梅が絶妙。
実在しない(とされている)霊と、実在する社会不安とが織り成す畏怖と恐怖と不安の不協和音で視聴者を八方塞がりのドロドロした恐怖の世界に引き摺り込む。

事実、社会が不安や恐怖にまみれると新たなホラー作品が生まれる(平山夢明氏の受け売り)
この作品はそう言った文脈を丁寧に拾い上げて作品内に落とし込んでいるので霊と言う虚構と社会不安と言う虚構現実とが上手くマッチしている。