このレビューはネタバレを含みます
何度見返してもこのドラマ好きだなって思う。
毎話ずっしりと重いメッセージが込められたストーリー。
法医学とは何なのか、未来のための医学とは一体どういう意味なのか、私たちの身近に転がってる問題を取り上げながら教えてくれる。
どの回を見てもグサグサくるし、主題歌の"lemon"が毎回いいタイミングで流れてくるから余計泣ける。
ドラマとして成り立つための要素がすべて丁寧に作られてるっていうのが見ているこっちにビシビシ伝わってきてとっても好き。
どの回も印象的だけど、一番衝撃的だったのは5話。
亡くなった恋人の死因、真実を知り、復讐を果たす。ミコトたちの止める声でとどめを刺すことに一瞬躊躇して、恋人のことを思い出して、やめるのかと思ったら、「何が間に合うのよ、果歩はもう戻ってこない」と言って包丁を振り下ろしてしまう。このシーンを見た時、一瞬何が起こったのかわからないくらい衝撃を受けた。あぁ、ここでこの人は殺すことを選んでしまったのか…と。それまでの回って大切な人を失った悲しみの中に少しでも光があったような気がしてた。でもこの男の子にはその光すら見えなかったんだなって。見ていて苦しかった。
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ミコトが「絶望してる暇があったら美味しいもの食べて寝るかな」って言ってたこと、普通な気がするけど案外できないものかも。『本日は、お日柄もよく』でも同じような意味の言葉があったけど、いくら打ちのめされるようなことがあったって、人間結局は生きるためには前を向かないといけないし、そのためには食べることだって寝ることだって必要。心に留めときたい言葉。
中堂さんも最初はなんて感じの悪い人なんだ…って思ってたけど、回を追うごとにこの人はこの人なりの正義とか信念を持っていて、優しさが素直に出ない人なんだなってちょっと可愛く思えたり。
UDIラボのみんなのわちゃわちゃ感がこのドラマの重たい部分を救ってる気がする。クスって笑えるやりとりとっても好きだったし、何よりみんな配役がぴったりすぎ。
そしてやっぱり野木さんはすごい。一回あの人の頭の中を覗いてみたいってくらい天才だと思う。
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このドラマのことを知った時、昔月9で『ヴォイス』っていう法医学ドラマがあったことを思い出した。そういえばあれにも石原さとみ出てたな…
『アンナチュラル』は今一番続編を望むドラマです。