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アンナチュラルのbluemomday0105のレビュー・感想・評価

アンナチュラル(2018年製作のドラマ)
5.0
こんな夢中になって観ていたドラマはいつ以来だろう。法医学という馴染みのない世界で、普遍的な「命」をテーマに描く脚本に毎度泣かされた。
評価の高い俳優陣、先が全く見えないストーリーが紡ぎ出す「クソだらけの世の中だけど、生きていれば何とかなる」という強いメッセージ。毎回すっごく丁寧にエンターテインメントに届けてくれた。

窪田正孝と井浦新目当てで観始めましたが、こんなに深く心を揺さぶられるとは思っていませんでした。毎週金曜日が楽しみでした。
みずみずしい美貌が引き立つ石原さとみの「やりすぎない」演技もよかった。彼女の代表作となるでしょう。
世の神々にもそう読ませるように、ミコトという名前は「命」と読ませたかったのかもしれない。そんな彼女に「絶望するくらいなら美味しいもの食べる」に言わせること。めちゃくちゃ大きいな…

パワハラ、セクハラ、いじめ、ブラック企業、マスゴミ。自分たちの生活周辺には確実に存在するのに、ドラマや映画では等身大に語られてこなかった「クソ」たちを明るみにする脚本は本当に膝を打った。野木亜紀子さんは「逃げ恥」の脚本でも有名だけど、あちらでも「やりがい搾取」という言葉が出ていたから、本当に憤っているのだろう。
CC流出事件の直後に仮想通貨詐欺のエピソード、最終回のタイミングで文書改ざん示唆のエピソードが出るとか神がかっていた。神に愛されたドラマですわ。

ツイッター映えのする構成だけど、見入ってツイートできないことしばしばでした。
しかし、法医学という専門的なジャンル、シンゴジラ、ハイロー、デスノート(あとピンポンと平清盛)の主要出演者が中心メンバーで、手塚治虫要素あるキャラクターにSHERLOCK感のある映像や構成とか、そりゃ神にも愛されるけどオタクにも愛されるよ。オタク満漢全席というか、オタクドラマティカルユニバースというか…

8話で神倉所長が口にした「私たちはたまたま生きているだけ」という言葉は、これからの人生大切にしていこう。あと窪田正孝を最後に幸せにしてくれて、クッソありがとうございました!!! 生きていればいたかった場所にも戻れるんだ…
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