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アップロード~デジタルなあの世へようこそ~ シーズン1のESRのレビュー・感想・評価

3.7
自動運転の車が標準化され、死後の仮想世界が存在する近未来(2033年)が舞台。
不慮の事故で仮想世界に来たネイサンと現実世界で彼のサポート役についたノラの恋を中心に、コミカルなキャラクターたちが形作るSFコメディ。

肉体的な死の前に体をスキャンし、そのデータを“アップロード”することで、電脳空間で永遠に生きることができる。(現状は不可逆で仮想世界から元の肉体へ戻ることはできない)
現実世界を生きる人々からは死後の世界は楽園と思われている。
しかし、実際にはコンピュータの処理落ちでカクついたり、毎月利用料金がかかるために格差が生まれ、肉体的な死の後も資本主義から逃れることができない。
とりわけ、安い料金プランの人々は、物やアクティビティを購入することができない上に、月々に使える通信容量が限られているため、何もない部屋で囚人以下の生活を強いられている。

デジタルな彼と生身の彼女の恋愛というのは序盤こそ安直な印象を受けたが、意外にもグッとくるシーンが多く、彼らが惹かれ合う過程をしっかり描けている。

現状では上述した仮想世界の問題点は、そのような世界である、という以上でも以下でもない。ここにネイサンが介入していくとしたら、シーズン2はより興味深いものになるだろう。
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