韓国エンタメは、基本的に性悪説から始まっているんじゃないかと思っていたけど、こんなに悪人のいない作品は本当に珍しい。かと言って、能天気でもお花畑でもない。メインの5人の医師たちは、それぞれが生きること、働くこと、命の重さを痛感しながら必死に生きている。ただ、肩の力がいい具合に抜けているというだけ。観ていて清々しいし、楽しい。そしてリアルだ。医者だからと言って、患者より上の場所から観ているわけではなく、患者やその家族を尊重して、彼らから学ぼうとするその姿勢に打たれた。これはなかなかできないこと。
天才で器用だが、どんな人とも同じ目線で話ができるイクジュン（ジョンソク）、医者と聖職者という最高レベルに尊い職業がひとりの人間の中で合わさっているミラクルを体現するジョンウォン（ヨンソク）など、ドラマキャラでありながら、素晴らしい人間を身近に感じさせる描き方で示してくれたドラマ制作者一同に感謝したいくらい。
※ジョンウォンの、赤ちゃんたちへの慈しみが凄い。また、かわいい。好きで仕方ない、という表現がかわいくて胸が苦しくなる笑。聖人に等しい。
メインの5人に加え、サブキャラもいかしている。個人的にはイクジュンの、スーパーで面白い妹、可愛らしい理事長（これが、あの補佐官のガプスさんとは！ 衝撃的なギャップ）とジョンウォンのママなどがツボ。
続編も決まっているようで、楽しみ。連日放送を回避したイレギュラー（週一放送）形態を取るなど、制作体制のリベラル感も感じがよく、さすが、名作応答せよシリーズの制作陣による作品だと。もう、憎らしいほど愛すべきドラマ。繰り返し観たい。
