マ帆

サイコだけど大丈夫のマ帆のレビュー・感想・評価

サイコだけど大丈夫(2020年製作のドラマ)
4.4
ダークファンタジーな世界観の作り込みにパンズラビリンスに通ずるものがある と聞いて気になってたネトフリオリジナル。愛の不時着と梨泰院クラスのセットを観た方全員にもれなく付いてくるネトフリの「自分ついでにこれ観てかん?^_^」にとどめを刺された。

反社会性パーソナリティ障害の童話作家コ・ムニョンと精神病棟で働きながら自閉症の兄サンテを支えるムン・ガンテ。
三者三様の傷がゆっくりと癒えていく物語なので一緒に観ていた父には合わなかった様だけど、話が進むにつれて唯一無二のバランスを強めていく不器用なトライアングルに私は何度泣かされたことか ... 。

観たかったものが前半エピソードでほぼ供給されてしまうので「ここからどうするんだろう??」と思っていたら、後半エピソードの贅沢使いがまた天才の所業。脚本の素晴らしさを後からジワジワと実感している。

毎話のタイトルになっている童話達が教えてくれる初めて触れる愛、寂しいと言う勇気、支配からの脱却、自分のものである自分。特に凄かったエピソードは、1話〜最終話にかけて何度か描かれる”毒親持ちの子”の描き方。色んな毒親物語をみたけど、“親は死期が近づくと免罪符がもらえるの?”という台詞は強烈で、ここまで核心に触れた描写は初めてだったので感動した。

ゴシックなインテリアと韓国建築を融合させたコ・ムニョン城、毎話登場する童話のアニメーション(ハリポタ「吟遊詩人ビードルの物語」っぽい)やクレイアニメのストップモーションなダークファンタジーとしても期待以上だったし、院長の「心を病んでてもケンチャナヨ〜♪」みたいな曲は人生の着メロ(人生の着メロ)にしたい。

こんなに「終わらないで〜😭😭😭」感情になったドラマは超久しぶりかもしれない。。。何よりも最後のNG集の多幸感が半端なさすぎる、ズルい、5回観た。


余談💬完走後オフショットやエピソードを漁っていたら、サンテ役のオ・ジョンセが自閉症の男の子の「サンテと遊びたい」という声を受けて一緒に遊園地に行き、サンテの姿でサンテの演技をしながら過ごしたという素晴らしすぎるお話が ... 。

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