Reno

ノーマル・ピープルのRenoのレビュー・感想・評価

ノーマル・ピープル(2020年製作のドラマ)
4.8
なんとなく分かってたことだけど、最後の二人の決断がすごく好みで、こういう瞬間のために見てたんだよなと

30分弱×12話=約6時間と長い時間だからこそ描けた物語、人生の変化、だけどこんなにもミニマルで二人の心にフォーカスしたドラマは久しぶりで、そういうところは映画みたいなドラマだったなと

マリアンとコネル、それぞれ身を置く環境によって差はあれ、周りに居てくれる人は得られるけど、共感できず孤独な足りない感じを抱いてしまうところは自分のこれまでのカウンセリングでの会話を思い出して、勝手に感慨深くなっちゃった

自分の場合、そもそもなんとなくの周りにいてくれる人を構築することすら苦手だなと思うけど、その根底にある共鳴できない感覚は分かるし、マリアンの家庭が安心できる場ではないけど、家族から簡単に逃れることができないという部分、コネルの経済的に常に目の前の脅威と向き合い続けなければいけなくて、色んな面で余裕を持てない感じもすっごくわかってそれぞれに共感できる生きにくさがあった

この作品ではマリアンは経済的な立場はある程度安定していて、逆にコネルは素晴らしい親がいるという面があって、なおかつ二人で依存し合いながらも前に進もうとしていて、なんとか生き抜くことができているのがささやかな恵だったんだなと。精神的に安全な家庭もなく、経済的な安定や余裕もなく、自分をなんとか保たせてくれるソウルメイトのような存在もいない人生だってこの世には沢山あるからね。

さすがヒットしただけあって色々なメッセージと主演二人の迫真の演技がある濃密なリミテッドシリーズでした
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