ひば

ホワイト・クイーン 白薔薇の女王のひばのレビュー・感想・評価

4.5
姪に手出す叔父…そいつ叔父だぞ叔父…と石投げようと思ったらアッッッゲースロだこれ!!!と気付きを得ました(ゲースロは薔薇戦争輸入)。石は投げる。女が神を信じる理由がよくわかる。抵抗の手段がないから呪い殺すなるほど天啓。雨にしろ日食にしろ時に大災害をももたらす天気が勝つ。救済より呪いのために神を頼り、神は見ているというより民は見ているので民衆が神話を築く。倫理を知らしめるために倫理を侵す正当性が大義でもたらされる世よ。大人がかつての栄光繁栄、甘い郷愁、ノスタルジーという澄み切った底無し沼に子供を引き込んで殺すんだなぁと思いました。主人公の子供生産ペースもゲロヤバだった。家畜かよ。根本を狙うより子孫を狙うところも生存を賭けた頭数がものを言うし。利権の駒としか思われてないと子供たちが幼いながらも理解しており、自ら足を踏み出したとき彼らも後に構造を喜んで享受するのだという合図でもあり…。男は戦場で身体を殺され死んでいき女はまず心を次に出産という主戦場で身体を殺され二度死んでいく。これはアドバイスなんですが、世継ぎを殺すのではなく根本を絞って殺そうな。誠実な人間が権力競争で上れば上るほど自分が周りに不信感を抱くのではなく周りが自分から離れていくじゃん。口1ミリ動かすだけで国を動かせる人間なんてろくな未来が待ってないね。見てきた作品とはまた違った強権的な不憫さがあって良かった。合理性を汲んだ選択の数々を見てると、合理的って言葉の意味、なんかちがくね?になってきて詐欺師のまやかし言葉にしか思えなくなった。
結婚に好意も愛もないないことが前提だから真っ先に配偶者が疑われる世に加え、他者が強制的に身内に婚姻を迫るのは同情できるけど勝つために主体的に婚姻を迫るのはやべえなの気持ち。レイプで始まる愛、そして近親姦で終わる愛、血筋の正当性を盾に勢力拡大を図る愛の繁栄。とても理解が及ばない中世。突然正気に戻って「復讐は復讐を、戦は死を呼ぶだけ、平和に生きましょう」とそんな言葉にも最後には、またまたぁ…と茶々をいれそうになってしまった。今までアナイリンくんと呼んでましたがこれからはアナイリンさんに変更していこうという所存。怖
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