モカ

ある家族の肖像/アイ・ノウ・ディス・マッチ・イズ・トゥルーのモカのレビュー・感想・評価

3.5
正直、前評判ほどではないかなあ、という印象。
虐待した継父はもちろんだけど、彼に呪いをかけたのは実はほぼお母さんだということは、
たぶん本人も周りも最後まで気付いてないのかな。
そこまでしっかり描いてほしかった。

今回はドミニクと私自分の立場が重なるところが多すぎて、
(いつも以上に)客観的に見れないレビューになりそう。


ドラマはとにかく重苦しい雰囲気がずーっとつきまとう。
80年代のアメリカの田舎での、精神障害者の扱いってあんな感じなんだろうか。

とは言え、ドミニクは家族以外の人にはかなり恵まれてる。
(表面的には)差別的な見方をしてくる人がほとんどいないし、リサ(ソーシャルワーカー?)やDr.パテルの役割がこの頃にすでにあったのは
同じ時代で苦しみぬいた日本人家族の私としては信じ難かった。

デッサもトーマスにとても好意的で(レイにまで!)
あんな素晴らしい妻を手放したドミニクは本当にどうかしている。

さて、そんな恵まれてることに気付かずに、40もとうに超えてるのに、
自ら人を遠ざけて、自分のやってきた行いを振り返ることもせず、
悪魔的呪いを信じてしまうくらい血縁や家族のせいにするドミニク、
かっこ悪いし個人的には好かないなあと。


冒頭に書いた『呪い』は、障害者を家族に持つ人が自らかけてしまっている制約でもある。

本当なら、兄弟姉妹の介護なんて投げ出してしまっていいんだけど、
きょうだい独特の義務感とお母さんがかけてしまった「トーマスをお願い」の言葉のお陰で抜け出せないドミニク。

ただ、自分の人生を生きてこれなかった人が、
いざ自分の人生を見つけるというのはとてつもなく困難ということは
見を持って知っているので少し理解はできる。

デッサともう1度幸せになって欲しいなあ。
原作読もう。


そして、マーク・ラファロは確かに素晴らしい役者だけど、トーマスもドミニクも、マーク・ラファロの域を出ていないので何とも。

むしろ若者時代をやった俳優さん、素晴らしかった。
あとジュリエット・ルイスは完全に無駄遣い。