ある家族の肖像/アイ・ノウ・ディス・マッチ・イズ・トゥルーのドラマ情報・感想・評価・動画配信

「ある家族の肖像/アイ・ノウ・ディス・マッチ・イズ・トゥルー」に投稿された感想・評価

前作『光をくれた人』はエデンの園のアダムとイヴを描いたデレク・シアンフランスは、今作『ある家族の肖像/I Know This Much Is True』でカインとアベルを描く。

年越しを跨いで生まれた一卵性双生児の兄弟を一人二役で演じ切る、プロデュースも務めたマーク・ラファロの演技が先ずは圧倒的だ。減量して弟のパートを、増量して兄のパートを分けて撮影。妄念すれすれの執念と、また演技者としての技術の途方もない高さが可能にした偉業。それを35mmフィルムの憂いを帯びた6時間の映像に刻んだデレク・シアンフランスもまた執念を感じさせる偉業を成し遂げた。

最終話のエンド・クレジットで明らかになるその執念の源泉。喪失から立ち直るためのセラピーとしての創作。古代から悲劇は、ドラマは、いやすべてのアートはそうやって生まれてきたのだろう。
raga

ragaの感想・評価

4.8
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マーク・ラファロとキャスリン・ハーンの演技に圧倒。これでもかと "転落" していく運命を描くデレク・シアンフランス監督の十八番の展開は第一話にて "苦悩" と "怒り" を見事にあぶり出してくる。選曲センスも良し。ままならぬ現実と格闘する主人公は自己の過ちを受け入れて新たな道へと歩み出す。遅くてもいい、そこに救われる。
よし

よしの感想・評価

4.0
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ひたすら暗すぎるがマーク・ラファロの熱演のおかげでどうにか見ていられる、どころか引き込まれてしまうドラマ。
マーク・ラファロ × マーク・ラファロ = 痩せて太らせて一人二役の名演技!エグゼクティブプロデューサーにもクレジットされている彼の役者としての二面性、ストイックな取り組みによる度量・懐の深さや献身を、改めてしみじみと実感させられる。監督脚本を務めるのは映画畑のデレク・シアンフランス(『ブルー・バレンタイン』、『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ』)。陰陰鬱々とひたすら重苦しく暗いのだけど不思議と引き込まれるような問答無用の力強さがあって、ついつい一気に見てしまうようなミニシリーズ。見る見る内に前かがみになっていく。始終しつこいほどに影が付きまとい気分をどんよりと落とす。セリフをまくし立て、ヘビーでダークでパワフル、あと何より救いがない。確かな作家主義みたいなものも、今までの劇場作品にも増して一種突き詰めた形で、感じた。
自分を責めないで --- 呪ってやる!過去の罪は長い影を落とす。踏んだり蹴ったり(どころではなあた騒ぎで)色々最悪。徹底して容赦なくつらい、つらすぎる。語弊を恐れずに言ってしまえば、こんなの自分の身にふりかかったら思い悩んで死を選んでもおかしくないレベル。惨めな人生?呪われた一家に受け継がれていくもの?短気で頑固で横柄?噛みつき切れ倒しドミニクがハルクだったら……もどかしさ。元妻デッサ役キャスリン・ハーンも『ワンダヴィジョン』に出演した今となってはMCU俳優で、こんな無関係なところでも広がるユニバースの微かなつながりをふと実感してしまった。一人ですべてを背負ってきたように、ハッキリとした物言いでキャラクターの際立ったヤンチャモードなラファロはイケメン。他にもメリッサ・レオやジュリエット・ルイス、ブルース・グリーンウッドなどベテラン勢も周囲を固めている。そんな雁字搦めの家族の歴史から解き放たれて一歩踏み出すまで。最後には救いがあって本当によかった。流石HBO、作り手の熱量に見合って妥協がない。

神、滝「この川は過去から未来へと流れている。その過程で我々を通り過ぎる」「彼を救うことに人生を捧げてきた」地獄に堕ちろ「ああ、そこで会おう」ダブルトラブル「二重の面倒」
ジュリエット・ルイスは
スパイスのように効きますね
いつだってややこしい人

マーク・ラファロ素晴らしい!
さく

さくの感想・評価

4.9
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映画館で観るように画面に食いついてみるべき作品。精神的にやられるので二回目は当分見れないし、最初からそうするべきだった。ここ数年で見たドラマの中でベストかもしれない。でも、それは本作が傑作だからというより、自分の琴線に触れたからだと思う。演技が圧巻なのは恐らく万人が同意するだろうけれど、作品自体には多分批判箇所もあるんじゃないだろうか。(私は盲目にハマってしまったので、もうそんな冷静な判断できない…)

トラウマ、後悔、悲嘆とどう向き合うか。Drパテルの台詞に心が打たれた。身の回りに起こった悲劇を「呪いや運命だから自分の手に負えないものだ」と逃げるのではなく、辛くても自分や自分の失敗と向き合うこと。自分の選択で人生や周囲に影響を与えるということは、とてつもなく怖い。が、向き合わず逃げていたら、結局は祖父と同じ運命を辿る。
そういえば最近見たドラマDevsでも、耐えがたい悲劇を経験したが故に、決定論に傾倒してしまっていたな。喪失や悲劇との向き合い方は宗教や哲学にもつながるし、人間にとって永遠の課題なんだろう。

兄弟、親子、パートナー、友人との関係。そういった美化されやすい関係性を、本作の監督はリアルに描く。もちろん、リアルだからこそ精神的にやられるし、キツイ。家族であろうがパートナーであろうが、すれ違いや埋められない溝は避けられない。ソウルメイトに出会ってめでたしめでたしなんてあり得ない。でも「大事な人たちから逃げない」。
最後のエピソードは全く予想していなかった方向転換があり、急に親子のストーリーに。たった6エピソードでこんなに詰め込んで、こんなに伝えるなんて凄いわ……。

何日間か反芻しているけど、これだけハマったのはドミニクに共感するところが多々あったからだろうな。彼みたいに悲劇や苦悩はないけれど。彼みたいに一度全てぶち壊して一から立て直す機会はないけれど。だからといって逃げ続ける言い訳にはならない。

このレビューはネタバレを含みます

安定と信頼のHBO作品。
35mmフィルムで撮影されているとのこと。
マークラファロもは、最初9キロ減量して弟ドミニクのシーンを撮影して、その後18キロ増量して兄トーマスのシーンを撮影したという。

ストーリー展開としては、とにかく理不尽な災厄がドミニクの人生に降りかかり続ける…。

個人的にかなり衝撃的だったのは、最終話でドミニクがデッサに対して謝罪をするシーンが全て台本なしのアドリブだったということ。

ドミニクとラルフがいとこ同士だったということがわかり、それを伝えに行くシーンも素晴らしく、
近い将来、天涯孤独になってしまうであろうドミニクにとって家族がまだいるというのは、これまでと異なり肯定的な意味合いに変化している。ラルフもドミニクのことは嫌いだったが、結果的に兄弟を失ってしまった者同士としての連帯もあるかもしれない。
(さすがに、トーマスが滝に行くであろうことを確信していたラルフが、収容施設内での虐待の証拠を入手しドミニクに渡すことで、かつての復讐を実現した、という読みはミスリードだと信じたい)

マークラファロ自身も弟を亡くしていること、マーク自身も実の父親に対して抱いていた複雑な感情(インタビュー談)を考えると、レイへの態度は演技を超えた部分もあるのかもしれない。それを引き出しているのは、圧倒的なリアリズム描写を得意とするデレク・シアンフランスの手腕なわけで、確かにこの組み合わせは必然だったのかもしれない。

かなりキツいドラマだけど、素晴らしいクオリティです。

https://note.star-ch.jp/n/na0c14cb85559
ESR

ESRの感想・評価

4.7
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統合失調症の兄とその双子の弟ドミニクの二役のマーク・ラファロは、それぞれの役に合わせた体作りもさることながら、その演じ分け(もはやそういう次元ではない)が見事で、エミー賞受賞も納得。
(そういえばポール・ラッドも『僕と生きる人生』でクローンとの一人二役を演じていた)

それこそホラーでもここまでのことは起きないだろうというくらい不幸が降りかかり、ドミニクでなくとも自分の家系は呪われていると言いたくなる。ただその一つひとつを分解していくと「ああそういうことあるなあ」と思うものばかり。
個々の出来事によるダメージも相当なものだが、とにかく負荷がかかりすぎてキャパオーバーになり、現状を改善していく(好転させる)ために割けるリソースがないというのが何よりも辛い。
その中で、数少ない力になってくれる人の存在を足掛かりに、兄を支え、人生を模索していく。

祖父の自伝がこのドラマのキーになっているが、自分は現在と、一見関係のないように見える(若しくは時代の異なる)過去が繋がっていく話が好きなのかもしれない。ぱっと思いついたドイルの『緋色の研究』は完全に二部に分かれているので少し異なるかもしれないが。

1話の時点で先を観るのをためらってしまいそうになるほどしんどいが、全6話中の第4話のタイトルが「どん底」(原題は「Episode4」)。
覚悟は必要だが観る価値のある傑作。
最高のドラマだった
pi

piの感想・評価

3.0
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マーク・ラファロが双子を一人二役。ミニシリーズだったから最後まで観れたものの、最終話の後半以外はひたすらきつい出来事の連続で暗い気分になる。
はやし

はやしの感想・評価

4.5
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このレビューはネタバレを含みます

アマプラのスターチャンネルEXにて視聴。
第一話だけ観てみて、
このまま続けるか悩みつつ、
第二話まで観てみたら一気に引き込まれて
あっという間に観終わった。
全6話。

アメリカのとある街に
年をまたいで12/31と1/1に産まれた双子。
新聞にも取り上げられ、
なんとなくその出自だから明るい未来‥
と思ったら、いきなりシリアスな図書館シーンが始まる‥
途中まで全然気づかなかった、
双子役を同じ人(マークラファロ)が演じていたことに!
それくらい、どっちも迫真の演技。
それにしても、とにかくドミニクことドメニコが不幸の連続すぎる。
途中から祖父と母の近親相姦がどのように行われるのか‥と思って見てたら、
普通に考えたらそうだよね、
家であんな仲良くしてたんだから、
全然秘密なんかじゃないのにネイティブアメリカンとの子だった。

最愛のバディ・トーマスが亡くなって、
義父も元嫁も遠ざけて、1人になって、
やっと人生を再構築していく。
そして今までの人生を振り返り、
タイトルの意味がわかる独白シーンになる。
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