第１話。
『カッコーの巣の上で』に登場する鬼婦長ラチェッドの前日譚という酔狂のような企画だが、ライアン・マーフィーだけに期待できるか。バーナード・ハーマン調の音楽にキューブリックタッチの映像のサイコホラー。出演はサラ・ポールソン、ジュディ・デイヴィスと強打者揃い。さらにシャロン・ストーンも出てくるみたい。
第２話。
熟練女優達の演技合戦が楽しい。サラ・ポールソンとジュディ・デイヴィスが
「冷蔵庫のあたしの桃食ったろ」「フェルトペンで名前書いとけ」
と、延々やり合ってどうしたらいいのか。シンシア・ニクソンも素晴らしく、ここにシャロン・ストーンも加わるらしい。
第３話、もう『アメリカン・ホラー・ストーリー/精神科病棟』でいいんじゃないか。え、それもうやったの？
E5まで。ようやく物語の全体像が明らかになり、ケバケバしい展開で飽きずに見られるが、果たして管理社会の象徴であった『カッコーの巣の上で』のラチェッド婦長にプリクエルが必要なのかという疑問は付きまとう。シーズン2が既に決まってるようだけど…。
E7、なんだこりゃとしか言いようがない珍品の味。それでも「女の敵は女」なんて事は絶対にしないライアン・マーフィーは正しい。ラチェッド婦長はほとんどウォルター・ホワイトで、世のため人のためを思って人を殺す。それでもまだ『カッコーの巣の上で』には繋がらない。
完走してしまった…いやー、最後まで付き合ってしまったよ。2020年屈指のなんだこりゃ案件ではないでしょうか…。
