てでぃはる

ラヴクラフトカントリー 恐怖の旅路のてでぃはるのレビュー・感想・評価

4.5
黒人差別の歴史をクトゥルフの怪物や多次元宇宙までも盛り込み、最終的には家族の物語として帰結していくハイファイでチャレンジングな作品。
クトゥルフだけでなくあらゆる映画や詩などの膨大な引用、タルサを始めとした黒人が犠牲となった実際のあらゆる事件など、想像以上に教養が必要とされましたが、逆に言えば本作をきっかけに黒人が白人にどんな仕打ちを受けてきたのかを知る良いチャンスだと思います。ここ最近『ゼム』や『ウォッチメン』といった黒人差別がテーマのドラマを立て続けに観てきましたが、第一次世界大戦直後の黒人差別の歴史を知るという点では本作が最も優れていると思います。そして当然エンタメ作品なので、そういった史実をブッ飛んだ映像表現で魅せてくれるところが本作の一番の魅力です。多くの黒人が人体実験された事件をモチーフに幽霊屋敷的なエピソードを展開したり、黒人女性の社会進出を多次元宇宙をテーマに展開したり、九尾狐の物語をジュディ・ガーランドの半生とリンクさせたり、よくもまぁそんな事思いつくなと毎エピソード感心させられました。HBOの凄みをまたも見せつけられました。