雨音

先生を消す方程式。の雨音のネタバレレビュー・内容・結末

先生を消す方程式。(2020年製作のドラマ)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

「第一章 義経討伐編」 1話〜5話
※最終話を観ての感想は下の方にあり。

メチャクチャなドラマに見えて深い名言が沢山。

田中圭さんの役を演じるのではなく、役を生きるスタンス。

どんな役を与えられても時に田中圭が演じていた事に気付かない時もあるほどにナチュラルで、説得力がある。

義経先生の毎度5分程ある授業シーンでは、厳しい言葉の中に愛があり引き込まれ、長台詞である事に気付かない程だ。

「自分を守るために人を傷つけてるんじゃねえぞ」

「自分を捨ててまで必要な友達なんていないんだよ。1人で生きろ」

「自分が無様だと認めた上で恋をするなら、無様を超えてたくましく格好いい」

「格好いい部分も格好悪い部分も全部見せた上で子供と向き合って欲しい」

SNSを開けばキラキラ輝く生活をしている人達が沢山いて、格好良い人で溢れている。

楽しんでいない自分や、格好よくない自分を否定してしまうような人はきっと沢山いるんだと思う。

「人生はきっと後悔の塊だ。幸せもきっとそんなに便利なものじゃない」

「弱さと生きる事は楽じゃない
強さもきっとロクなもんじゃないよ」

主題歌の「サーチライト」の歌詞。

キラキラ輝いて見える人にもきっと色んな悩みや苦悩があって、人生は楽ではない。

「だからなんだようるさいよ」って言いながら格好つけずに自分の道を進むことが出来れば、辛いニュースも、悲しい出来事も減るのではないか。

人の目を気にして本音を言えない今、義経先生を通して、無様でも格好悪くても良い。
生きていく事に意味がある。
そんなメッセージを受け取った。

はずだが…5話のラストで受け取ったメッセージ、私の勘違い??
と言う程に、気持ちが迷子になっている。
ゾンビが美し過ぎるのが、せめてもの救いだ。

こんなドラマ観た事ない。
もの凄くワクワクする。

「第二章 闇の義経、襲来編」
どうなるのか、最後まで見届けたい。

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「第二章 闇の義経、襲来編」を観終わっての感想は以下。

ドタバタアクションなどを見ると、この後片付け誰がやるのー?
と色んなことが気になるぐらいに、ドラマや映画にリアリティを求めるタイプだ。
5話ラストで土の中から手が現れた時には、あぁ今後どんな感情で見れば良いのかと…
混乱した。
ゾンビになって土気色の顔になっても色気を失わない田中圭の魅力を頼りに第二章を観ることにした。

人とのコミュニケーションが希薄になり、見て見ぬふりをしてやり過ごす事が1番楽だと思っている人は多い。

生徒を傷つけてでもその人の立っている場所を気づかせてあげたい。
ゾンビになっても、蹴られても、散々な目にあっても、義経先生はいつも生徒の味方だった。

突き抜けた脚本なのに、心に沁みるのは演者さん達の演技が本当に凄かったから。
特に田中圭さんと、山田裕貴さんの芝居には心をゆさぶられた。

ダークヒーローと呼ばれる朝日だけれども、過去のイジメ、認めてもらえると思って静先生を殺した後の同級生の反応。
朝日のセリフ「わかるよね〜」には、分かってて欲しい認めて欲しい。
そんな苦しみすら感じた。
朝日の人生ってなんだったんだろうと悲しくなった。

そして、ずっと生徒に愛を持って対峙していた義経先生。

役を生きると圭さんはよく言っていたけれど、死んでる役を生きる事に迷いもあったと思うけれど、ゾンビ役という事でもっと大袈裟に狂気を表現したり、コミカル寄りになる事もなく。

埋められても、何をされても、ゾンビになっても生徒を助けようとする姿。
見た目はゾンビで、言葉さえうまく話せないのに…

狂気の中に苦しみや悲しみが見え隠れする演技、溢れ出る色気(ここ重要)
覚めることなく観られたのは田中圭さんの確かな演技力。

この役を生きられる俳優はきっと田中圭さんだけ。

先生が正気を取り戻した時に回想で朝日と刀矢の姿が映った。
まだ2人を救えていない。
そんな思いで最後の教壇に立ったんだろう。

ゾンビも良いけどやっぱり熱い先生の授業が懐かしく、長台詞なのにそれを感じさせないところも凄い。
大袈裟じゃ無いのに感情がものすごく伝わってくる。

特に最終話の
「私は君たちに会えて幸せだ。恨んでない愛してる」
もう死んでしまっている先生からのこの言葉。
温かい表情で、これからの生徒たちの人生の背中を押すような良いシーンだった。

「自分が愛しているのにその愛を向けられないことは地獄だ」
10年間愛する人の眠る姿を観てきた義経先生の最後の選択には驚かされ、ラストシーンで、まさかの嫁ゾンビ誕生に、やっちまった感が否めなかったけれど…
そんな感情も一瞬で払拭したあのキスシーン。

「愛してる」「愛してる」
10年間与えることしかできなかった静への愛がようやく帰ってきたところからのキスシーン。

田中圭さんのキスシーンはドキドキとかキュンキュンとかそんなレベルではなく、毎度泣きそうになる。
あれだけ背が高いのに上からではなく、下からすくいあげるところ。
相手の首元に顔を埋める所。
後ろ姿であれセリフは無くても、苦しいほど愛する気持ちが伝わる。

行ってきますのキスができなかったあの朝から、苦しい日々を生き続けた義経の心が溶けていくような感覚。

キスシーンを観てこんなにボロボロと涙が流れることは私には初体験だった。

全話見終わったいま感じる事は、やっぱり凄いドラマだったと言う事。
現実離れした展開の中に苦しいぐらいのリアリティがあった。
そして、命の大切さ、格好悪くても生きて
欲しいという強いメッセージ。

まさかゾンビから教わるとはね…
演者の皆様にスタンディングオベーションを送りたい。

最後に…

衝撃すぎて話がついて来なくなるため、
1度ではなく2度観ることがお勧めのドラマです。
許せなかった展開も観るたびに好きになる。
そして、観るたびに泣けてくる。

まさに不死身のゾンビドラマ。