miyoshi

一億円のさようならのmiyoshiのネタバレレビュー・内容・結末

一億円のさようなら(2020年製作のドラマ)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

妻が莫大な遺産を隠し持っていたことが発覚し、夫婦の関係が崩れ始める所から始まる。

ハッピーエンドで良かった、という意見も多いように感じる中で、煮え切らないまま終わってしまったというのが個人的な感想。

1億を渡された時、そのお金であと何年生きられるのかを計算する鉄平が至って普通でいい描写だった。
わたしもまずはそうする笑

結局、夏代の行動全てに納得がいかなかった。
日記も過去の言動も現在の言動も全てが自分本位な考え方。

莫大な遺産に怖くなるのは物凄く共感したので、初回から惹かれて見ていたけれど、、
遺産放棄せず全て受け取り、手放す考えもあったみたいだけどそうせずにずっと持って生きてきた。
受け取ったにも関わらず、遺産の責任だけ放棄しているように思えた。
放棄を選択しなかった理由が語られなかったから、私は納得出来なかったのかもしれない。

遺産の存在は忘れて生きてきた、と話すが、結局鉄平に内緒で木内の研究に投資していたことが後からバレると後付けのように説明。

不倫関係にあった木内にその後もずっと脅されていたことを一切相談しなかった。
結局遺産を使ったのに、それまでの言い分が自分のお金じゃないから、だったため鉄平からの信頼が崩れるのは当たり前だと思う。
1番の被害者は鉄平のはず。

子供達が木内と関係ないのか、鉄平が疑うのも無理はないし、それだけ信頼を失うようなことをしているにも関わらず鉄平を責めるのみ。

木内の執念はともかく、遺産の存在を隠していた事が発端だけど、家が壊れたのも全てあなたのせいです。
と、自分の事は棚に上げて木内に全ての責任を押し付けた事も衝撃だった。

1億円を渡した理由も全話通して考えてみたけれど、当初の夏代の遺産への考え方と一致せずよく分からなかった。
貴方のお金、と鉄平に渡した1億円も、返金されたらそのまま受け取る夏代...

最終話で、
理解しようだなんて、間違ってたよ。君は想像の斜め上を行く人だった。
と、鉄平が言っていたけれど、結局夏代は変な人、という着地をしたような感じで腑に落ちるラストでは無かった。
映画館でホラー映画を見ながらボリボリおかしい程にポップコーンを食いまくる夏代。
理論的に深く考えるな、ただ変な人なだけである、という演出なんだろうか。

1度失った信頼は戻せないの、と離婚届にサインをした夏代達は、本当にこれからの生活でお互いのことを信頼して生きていけるのだろうか。鉄平は夏代に対してわだかまりは一切無いのだろうか。
また蓋をして無かったことにして生きていくだけな気がする。


結局夏代は最終話でも鉄平に相談をするということをせず、自分の考えのとおりに進めていた。夫婦関係が変わるほど大きな出来事だったけれど、夏代が学んだこと、得たことは何かあったのか。


上川隆也の演技が良くて、鉄平の人格やキャラクターに説得力があるのは演技の賜物でもあると思った。
それだけに、夏代の説得力の無さが勿体なく感じた。
miyoshi

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