トケグチアワユキ

そのご縁、お届けしますーメルカリであったほんとの話ーのトケグチアワユキのレビュー・感想・評価

4.6
メルカリのやり取りから始まるちょっといい話を、配達ドライバー陸(飯豊まりえ)を縦糸で描く一話完結のドラマシリーズ。全6回。

全話、監督を「ルームロンダリング」「きのう何食べた?」の片桐健滋が務める。

メルカリが企業イメージアップのためにカネ出して放送枠買い取って、制作費出して作らせたと、私のようなスレっからしのイヤミなじじいは勘ぐったりするわけなんだが、もしそうだったとしても、なかなかどうして、これがよく出来た小品揃いで、O ヘンリーの短編小説を読んでるような味わい。

30分と短いので、脚本にちょっと食い足らない部分があってそこは残念といえば残念だけど、まあ結末から逆算するしかないほどの時間だと思えば同情の範囲におさまる。
それより、各話のゲスト俳優陣があまりにも優秀な方々ばかりで、よくこんなすばらしいキャスティングができたなと感心するばかり。
キャスト全員のこらずそのストーリーの中で生きている。完全にストーリーの中の人でしかない。
たとえ予想通りの展開のありふれたストーリーだったとしても、このキャスティングなら観ていられる。

これ、偏見や先入観といった色メガネで見ちゃダメな物件。
TBSのドラマイズム枠はたまにこういう名品が来るよね。

追記
製作の筆頭はMBS毎日放送。
ただ製作母体は製作委員会なので、おそらくは広告代理店仕切りの方式で、放送/配信/ソフト原盤ほか各社権利持ち合い。
TBSも権利は持ってるだろうけど、TBSのドラマ制作とはテイストがかなり違う。
現場制作社はザフール。

この座組だと見えて来ないなぁ。