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俺の家の話のmasatのネタバレレビュー・内容・結末

俺の家の話(2021年製作のドラマ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

リテラシーが低い人向けのゴールデンタイムの一連のドラマや、エッジが丸まった深夜ドラマが横行している今、
(勿論、創意工夫や野心が垣間見られるドラマも数少ないが、あります・・・)
そんな今、このドラマが受けるのか?もしくは、解るのか?・・・

木更津キャッツも、池袋西門も、ドラマは一本も観たことはないので、
初クドカンドラマ体験です。

というのも、この素朴で面白味のないタイトルに、並々ならない殺気を感じたからだ。漲る自信というか、作家自身の確信犯的な勝算を感じた。
また、このアフターコロナの時代にあって、さらに第二次・緊急事態宣言の真っ只中に、飛び込んできたこのタイトルは、様々で複雑な作意、狙いを感じざるを得なかった。

そして、第二話まで観た今、その企みに大きな感銘を受けた。
コロナの様な革命が起き、新しい“普通さ”とは何か?が問われている今にあって、
人間のリレーションには、前も後もなく、人間の感情は全く変わらないのである、
と高らかに謳い、
プロレスと能、共に伝統芸能を使って、
「動〜揺〜するでは、ない!」と、ぶつけてきて圧巻だったのだ。

そんな世界観を謡い上げる隅々までの登場人物の個性は研ぎ澄まされている。
脱退後に賭ける長瀬智也の、渾身の、そして円熟の名演技は、どのカットも冴え渡る。
西田敏行も、久々に迫力。
そして、戸田恵梨香は、今後さらに複雑になるであろう後妻業の女役を、愛嬌と優しさで、まさにチャーミングに、彼女でなくてはならない必然性を披露する。嘘から出た“誠”を演じ上げるのだろう。

血が繋がっていてもいなくても、
(繋がっていればより複雑に)
誰しも愛されたい、繋がりたい・・・
そんな心のユートピアを、2021年の今、揺るぎないリレーションと瞳で、放とうとしている。