Eee

ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナーのEeeのレビュー・感想・評価

5.0
Perfectly splendid!
予想を遥かに上回る傑作。

個人的にはヒルハウスより静謐で上品で、奥行きを感じた。もちろんヒルハウスも大好きですが。

Blyの陰湿で悲哀に満ち溢れた重力。
生きるか死ぬか?の二択ではない死生観のフラナガン節が、今回も色んなことを考えさせる。

物理的な存在としての幽霊、ではなく、そういった概念がなぜどんな文明にも文化圏にも存在するか、何世紀も、インターネットが張り巡らされた現代にも変わらず存在しているか。愛する人、近しい人を失ったら、物質として消え去った彼等を尚も愛し続けてしまうのは何故なのか。

死 = 終わり?
本当の死はどこにある?

生きている人が故人を完全に忘却したら?

そんなビッグ・ウエスチョンに果敢に立ち向かうフラナガン、応援してます。

最初から最後の1秒までれっきとした“ホラードラマ”なのに、ビビり散らしながらも本質のストーリーラインと繊細な伏線が相変わらず秀逸過ぎて、先が気になって仕方なかった。
まぁでも、怖い。
ヒルハウス程では無いが、ホラー描写がジャパニーズホラー的なので、気を抜くと滅多刺しにされる。
メガネくんが掃除機に吸い込まれたホコリみたいな動きしたとこだけ???だったので、誰か意図を教えてください。

今回登場人物がぐっと絞られ、よりパーソナルな部分に焦点を当てたのが良かった。ハナの事実がかなしくて残酷極まりなくて、思わず嘘でしょ、、って呟いた。庭師や料理人も、ただただ平穏な暮らしを望む、愛すべき人たち。
あとはスプレンディッドなフローラが可愛いのなんの。

恐怖の館であるはずのブライマナーで彼らの紡ぐ何気ない日常がなんと美しかったことか、、

そのうち見返して、再び涙を拭うとします。
Eee

Eee