きみどり

ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナーのきみどりのレビュー・感想・評価

4.0
ガヴァネス(住み込みの家庭教師)と可愛い兄妹、なにやら禍々しいお屋敷…ときて、おおこれはヘンリー・ジェイムズの『ねじの回転』そっくりじゃん!と思ったら、まさしくジェイムズの翻案作品でした(^^)

シーズン1に続きマイク・フラナガンの脚本が素晴らしい。格調高いバリバリの古典文学をよくぞこんな二次創作にしたものだと感心してしまう。
連ドラという時間の利を生かして登場人物たち一人一人の背景を丁寧に描写している。悪夢のリフレイン。やり直したい過去の「あの瞬間」の見せ方が上手い。
彼らの心の傷が、幽霊を呼び寄せてるんだよね…切ない。シーズン1でもそうだったんだけれど、フラナガンの描く愛憎劇にちょいちょい涙腺が崩壊してしまうわたしです…。

あと個人的に、訳ありの大人たちがひっそり肩を寄せ合って仕事するあの職場は最高だと思った。広くて豪華なお屋敷で、上司は常に不在。仕事は軽作業中心。食事も毎回美味しそうだった。私もあそこで働きたい…庭師の助手希望です。幽霊付き物件だけど。

さらに今回は舞台が80年代だったのでさらりと流れるポップスの選曲も良く、隅々までウェルメイドなドラマでした。
きみどり

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