京楽

イノセント・デイズの京楽のレビュー・感想・評価

イノセント・デイズ(2018年製作のドラマ)
4.0
原作を読んで、こんな衝撃的な作品があるのかと思った数日後にWOWOWでドラマ化されていたことを知りました。

企画の発信が妻夫木聡さんだったんですね。相当この作品に惚れ込んで、原作者の早見和馬に「俺にこの作品を預けてください!」とお願いしたということを記事かなんかで見ました。

ドラマ全体としては、重〜い雰囲気のBGMと映像が流れていて原作の雰囲気を表現できていたなと思います。

細かいところでいうと、丹下翔の父とその父のエピソードがなかったり、幸乃の母の過去、あとはエンディングが若干変わっていたりしたところは、6話しかないのでまあしょうがないかなと思いました。

小説を読むのと映像を見るのでは、キャラクターの心情がどうしても映像の方が分かりづらくなってしまうので、原作未読の方は「めちゃバッドエンドやん!」と思ってしまったのではないでしょうか?(実際、ドラマを見て「これバッドエンドに見えちゃうよな...」と思いました笑)

原作でも衝撃を受けたラストシーンなのですが、刑務官の言葉によって幸乃の発作が始まり、四つん這いになって、死ぬために(処刑台にいくために)意識を途切れさせないよう必死に生きる姿は非常につらいです。竹内結子さんの演技が素晴らしい!

死ぬことを望んできた幸乃が、この一瞬を生きようと抗う姿の先にあるものが死なんて、心が痛くなるなんて表現じゃ足りないくらい切ないです。

しかし田中幸乃という1人の女性の物語を見てきた(読んだ)から分かるのですが、彼女は死ぬことを強く望んでいました。
彼女曰く、もし自分を必要としてくれる人がいたとして、その人に捨てられてしまうことは、今、ここで死ぬことより怖いことだと。

観客からすれば、なんでそんなに死にたいの!?本当のこと言って生きようよ!慎ちゃんがおるやん!というような救われてほしい気持ちもありますが、それこそ押し付けがましい傲慢なのかもしれません。

ラストシーンで、刑務官が幸乃に対して、「生きていてほしいと願う人がいるのに、それでも死にたいなんて傲慢だ!」というセリフが観客の気持ちを代弁してくれてるみたいでした。

幸乃だけが死ぬことを望んでいて、その願いが叶う瞬間のあの笑みは、言葉では表せない美しさがあったんだと思います。