私は荒木飛呂彦さんの漫画を一切読んだことがないので、逆に言うと原作漫画に足を引っ張られることなくこのドラマを楽しむことができました。
奇抜なアイディア、衣装、キャラクター、事件・・・・・・しかし、映像はとことん美しく、不思議な世界になっています。
第一話はマナー、第二話は言霊、第三話は遺伝、という一見バラバラに見えますけれど、中村倫也演じる、事故で記憶があいまいになってしまった青年が見え隠れして直接的には関わらないけれど、間接的に事件の発端を示します。
岸辺露伴は、ヘブンズ・ドアと唱える事で他人の頭の中を本にして読む能力があります。
その造形も、やりすぎず自然な事のようにさらりと描いていて不思議を不思議と感じさせない雰囲気づくりをしていました。
衣装は過剰にごてごてしているし、能力も漫画チックですが、高橋一生さんが演じた岸辺露伴は決して漫画のようではありません。
一種の探偵もののように謎を解いていく。
ただ、誰も知らないところで。
第二話で言葉にとりつかれてしまう同業者、漫画家を演じた森山未來くんがいつもしゃべって動いて落ち着かなくて、どんどん狂気になっていくのを身体の動きで表現していてさすがダンサー。
全体的に浮かれた様子を抑えて、漫画の世界を実写の世界にきちんとおさめた極めてめずらしい例。
これがNHKのドラマだったというのもすごい。やるなぁ、NHK。