たかしんぐ

クイーンズ・ギャンビットのたかしんぐのレビュー・感想・評価

クイーンズ・ギャンビット(2020年製作のドラマ)
4.5
天才が故に孤独な少女が、チェスに自分の居場所を見つけ、その頂点へ駆け上がっていく物語。

最初は時代背景も加味して、男性の中で女性が活躍していく姿が痛快だと観て思っていた。そして、そういう物語だと思っていた。

だが、少しずつ物語を観ていくとベスの依存が物語の軸になっていることがわかる。ドラッグ、アルコール、そしていつしか飲み込まれてしまう。
勝ち上がっていく姿は観ていて痛快だが、堕ちていく姿は痛々しい。
しかし、そこにこそ観ている自分が感情移入してしまう。なんとなくだが、彼女のことがわかるような気がするし、どこか他人目線で応援もしたくなる。

最終話でベスが宿敵モロゾフと握手するシーンは思わず胸にくるものがあった。ここまでの道のりを彼女の成長を見守ってきたからこそだ。

また、クイーンズ・ギャンビットでは映像と音楽が非常に良かった。
特に照明は良かった。ホテルなどの薄暗い部屋でのベスはとても綺麗だったし、その中での彼女の孤独感を表現できている気がした。

ラストの締めも良くて、観終わった後の爽快さも心地良かった。

Netflixで何かオススメは?と聞かれたら、間違いなくこの作品だと答えると思う。そのぐらいにこの作品は良かった。
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