Mayo

グランド・アーミーのMayoのレビュー・感想・評価

グランド・アーミー(2020年製作のドラマ)
3.9
ブルックリンの公立高校を舞台にした作品。
ハイスクールモノだけど、シリアス方向で、ジョーイ、レイラ、ドミニク、シド、ジェイソンの5人を中心に、高校生のリアルライフが描かれる。
彼らのストーリーはそれぞれ分かれているんだけど、周りにいる友人達もうまーく使って微妙に交差していくから、その感じが高校生活らしくていい。

◉ジョーイ
最初から私の苦手な男女入り混じりのグループ交際している感じが嫌だなぁと思ってた。その後起きることについては、見ている側も、え、自業自得だよね?とは思っちゃうくらいギリギリのラインまで攻めてる。だからこそその反面、「合意がないとレイプになる」ということの意味、線引きについてとても考えさせられた。最後のダンスシーン、力強く解放されていく感じとても良かった。

◉レイラ
時々挟まるアニメが面白いけど何を表してるのか?と思ってた。彼女が描いてるイラストはもう少し早く出しても良かったのではと思ってしまうくらい。ああいうウザイ、痛い子っているいるー!って感じ。アイデンティティを探す話ってよくあるけど、ジューイッシュにアダプトされた中国人っていうのとキャラクターで新鮮さがあった。

◉ドミニク
一番まともだし良い子だし応援しちゃう。
黒人さん向けのヘアアレンジの仕事やりながら友達に勉強教えてる時、この子最強と思った。
ドミニクの恋愛話がわりとシリアスなドラマの中で唯一ほっこりできるラインになってた。

◉シド
こちらもカミングアウトというハイスクールドラマでは定番の悩みを抱えながら、インド人ということでアフガン系が起こした爆発事件の犯人いじりみたいなのがあって嫌な思いをする。
一つの役に色んな枷を与えて複雑に出来るのはやはり海外ドラマならではなのかなぁ。

◉ジェイソン
おじいちゃんとの関係がとてもいい。
最初はこの子がメインになってくると思ってなくて注目してかなかったけど、この子をメインにしてくるという意味では葛藤の作り方が巧かったなぁ。

シーズンラストはすごいところで終わった。
最初は高校の雰囲気とかリアルニューヨークなやや汚い感じが苦手であんまり楽しめなかったけど、徐々に面白みが増してきた作品だった。
まさに今年を象徴するようなドラマで、BLM運動の雰囲気も強調されていたし、コロナのニュースが流れているシーンもあって、続きはコロナ禍の世界が描かれるのかな。制作は大変だろうけどとても楽しみ。
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